『
メランコリア』
作品基準が個性的であるということで測るなら、まぎれもなくこの作品は頂点に立つひとつであろう。
ラース・フォン・トリアー監督が欝の状態で創作されたという<気のめいる>映画は見るものをどこまでも突き放し不快にする。
前作『アンチクライスト』を思い出す美しいスローモーションとクラシック音楽(トリスタンとイゾルデ)で構成された冒頭8分間の映像に魅惑される。
しかし、二部構成の本編が始まるとイライラしっぱなし。
正直言って登場人物の誰にも共感できず、早くこの世界から出て行きたくなる。
それこそが『欝』ということを裏付けているのだろうが…。
臨場感を出すためのハンディカメラやあえて混乱させるような編集も理解できる気がする。
<惑星接近>という未曾有の天体ショーに、
この世界は<混乱>しているのだ。
きわめて小さな世界しか描かれないのも監督の脳内世界を代弁しているからに他ならず、終盤に現れる<
あってはならない数字>から考えても、これは妄想の類といって差し支えないのかも知れない。
相変わらず役者をいたぶるのが上手なトリアー監督。(笑)
キルスティン・ダンストの幻想的シーンの美しさやこれまでにない側面を引き出した功績は称えられていいかと思うが、総じて演出や内容には乗れないままの自分がいた。
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