『
ルート・アイリッシュ』
毎度、庶民目線で骨太な社会派ドラマを提供してくれる英国の巨匠ケン・ローチの2010年作は、やはり重苦しいドラマだった。
高給目的のため戦争請負会社の一員としてイラク戦争に赴く英国人たちを中心に語られる。
タイトルになっている
ルート・アイリッシュとはイラクで、別名<死のロード>とも呼ばれるほどテロ攻撃を受けやすい危険なルートのことらしく、程なくそこで死亡した親友フランキーの死因にファーガスが疑問を持つことから話が動く。
一兵士の死を通して、<正義の名のもと起こされたはず>の戦争で正義が執行されない憤りや矛盾を暴き立て、原因は“イデオロギーの対立”ではなく、“経済”であると言う皮肉はとりわけ珍しく感じないが、
単純なカタルシスを与えない点もまたケン・ローチらしい見事な手腕。
まさに<正義>とは、<裁く>とは…と胸元に突きつけられる思いがする。
ここにはイラク戦争だけでなく、どの争いにも当てはまる人間の愚かさが重なって感じられる。
取っつきにくい社会派ドラマをミステリー仕立てにして引きこむ手口は功を奏していると思われるが、いかんせん人物関係や出来事がこんがらがり易いのが難点。すっきりした頭で整理しながら見ないと、謎解きのパンチが弱くなるかも。(と思うのは私だけかもしれないが…)
(3月下旬 銀座テアトルシネマにて公開)
私信:ケスさんへ。気づいていると思いますが、これですよ隠し球。

あーちょっとスッキリした。(笑)
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