もう死のうと決めた翌日、私は図書館で死についての項目を検索していた。読みたい本がたくさんあった。借りようとしたときに気が付いた。こんなものを大量に借りたら私が自殺志願者だと疑われるのではないだろうか。
読みたい。何かの論文製作のように思わせる方法はないだろうかと考えた。哲学がいいか。いや、哲学なんて私には分からないから、どんなものと一緒に借りればいいのかが分からない。生物学とか、いやいや、そんなものと死後の話は一緒にならない。私は文学部だ。それなら、ファンタジー小説でも書くための資料のように見せかけるのはどうだろうか。
私は自分のアイディアに満足した。子供の頃から私は、自分の行動を活字で納得したがった。遠足に行く前には冒険の絵本を読んだ。運動会の前にはスポーツ選手の本を読んだ。活字以外に私と会話出来るものはないのだ。
ファンタジーの資料を探しているうちに、ファンタジー小説のアイディアが浮かんでしまった。死からはじまるファンタジー。主人公はこう言うんだ。
「死は孤独からの永遠の解放なんだ」
この台詞で行こう。
ファンタジー小説を書こうと決めた翌日、私は図書館で恋愛に関する項目を検索していた。読みたい本がたくさんあった。でも、恋愛の本ばかり借りたら、夢見る少女と誤解されそうなので、死に関する本をカムフラージュで借りることにした。
他の人の作品は
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