純喫茶「スワン」はあべの最後の聖域か

ハルカス近鉄で開催中の「青春プレイバック展」をさっそく観に行ったら、会場入口のところであるマイミク知人とばったり。もし誰かと偶然出逢うとしたら、それはたぶん催事内容・お盆の時期・あべのという場所から考えて地元の音楽好き同世代旧友だろうと思ってたから、これは意外（でもないか）な人物、なんでも彼は一心寺までお参りにきた帰りだとか。

せっかくなのでお茶でもと純喫茶「スワン」へ。3時間あまりもしゃべりこんでしまいました。店内はけっこうなにぎわい。ここまでクソ暑いと、ふだんはどうしようもなくベタに見える店頭のかき氷やフラッペなどの商品サンプルが、かえってそこいらの外資系セルフカフェよりもずっと涼気を誘うのかもしれません。店内でもそのあたりにガッツいているひとを多く見ました。

「スワン」はいまやあべのに残された最後の聖域かも。私と同世代の地元民のみなさんは、かってあの並びがずらっと喫茶店ばかりで占められていて、こちらのシチュエーションによってそれらを使い分けていた記憶があると思います。いまやそれも「スワン」ただ一軒、あとちょっと離れたところに「田園」があるくらいですか。「パールズ」はすっかりキレイになっちゃったし。

いくら日本一高い建物ができて、その周辺がすっかり別モンの街になってしまっても、ホッとできる場所がどこかに欲しいと思うのは誰しものこと。たとえばお酒を飲まれるあべの民のかたなども、それぞれに自分なりの聖域をどこかに確保されているはず。こんなことを思ってしまうのはやっぱり懐古的な気分になるこのお盆の時期のせいなのかもなあ。