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2008年05月10日03:47

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ヘドウィグのニューヨーク

去年、耕史ヘドウィグの初演を見た後、ニューヨークのガイドブックを買ってみた。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%82%AF-%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC/dp/4398117296/ref=sr_1_10?ie=UTF8&s=books&qid=1210351389&sr=8-10
ヘドウィグが居る街を、ちゃんと把握してみたかったので。
ミートパッキングってどこ?
トミーが歌っているジャイアンツ・スタジアムは?

大きなハドソン川とイースト川にはさまれたニューヨークのマンハッタン区は
縦に細長い水の都。
大まかに見ると下の方のダウンタウン、真ん中あたりのミッドタウン、
上のほうのアップタウンの三つの区域に分けられる。
で、下から順番に見ていくと、あったあった!ミートパッキング。
グリニッチビレッジあたりの西側。
オー・ヘンリーやアーサー・ミラーなど多くの芸術家に愛されたという
チェルシーの少し下あたり。

今回の再演では地名やその説明がかなりカットされてあっさりしていたけれど、
初演のヘドウィグはオリジナルに忠実にこう言っていた。
「その時あたしはMeat Packingで深夜ライヴを終えたときだったの
 あの再開発されたトレンディな食肉市場
 みんなMePa(ミーパ)って呼ぶ 
 ミートパッキングだから略してミーパ
 SoHo(ソーホー)とかNoHo(ノーホー)とか言うのは聞いたことあるわね
 あれとおんなじ
 で、その時あたし十四丁目に立ってたの ミーパの目抜き通り
 そしたらリムジンが止まってね」

地図を見ていると道路は碁盤の目状に交差していて、
南北に走る縦の道が「○ Avenue](○番街)、
東西に走る横の道が「○ Street」(○丁目)となっているようだけど、
確かに西十四丁目は太い通り。「ミーパの目抜き通り」だ。

<ミートパッキング地区>
http://nyliberty.exblog.jp/4740146/
MPD(ミートパッキング・ディストリクト)は、グリニッチ・ビレッジと
チェルシーに挟まれた、ごく限られたエリア。
かつては100を超える業者が集まる精肉工場街で、今でもあちこちに
「ミート」の看板が残っている。ここに今、新しいブティックや
レストラン、クラブなどが次々とオープンし、流行に敏感なニューヨーカー
を惹きつけている。古い石畳の街並みと未来的な店のコントラストが、
新しいNYを象徴しているかのようだ。
 (『ニューヨーク トラベルストーリー』昭文社 p.111)
ということで、ミーパは今や一番アートな街として注目されているらしい。
知らないうちは勝手にもっと殺風景な場所を思い浮かべてしまっていたけれど、
本当にトレンディなところだったのね。ごめんなさいヘドウィグ。失礼しました。

ここからはジェーン・ストリート・シアターもそう遠くない。
今回の再演では、ライヴ会場が「タイタニックの生き残りを
ここで介護したことがある」ballroom(=ダンスホール)だと
示す台詞はないけれど、
舞台オリジナルキャストCD歌詞カードやオリジナルシナリオには、
それがHotel Riverview(ホテル リヴァービュー) だとちゃんと書いてある。
http://www.fsinet.or.jp/~shiny/hedwig/html/History.htm
ここは実際に「Hedwig and Angry Inch」の舞台を上演していたところで、
もともと劇場ではなくボールルームだったため、
ホテルの最上階(6階)に楽屋があって、
舞台メイクのままのヘドウィグが宿泊客とすれ違うこともあったとか。
想像するだけでどきどきしてしまう。
その際改装され、Jane Street Theatreとなった。
オフ・ブロードウェイの劇場のひとつ。
(「今夜はものすごくロックンロールしてる 
 このオフ・ブロードウェイで!」byヘドウィグ@初演)
(113 Jane Street
 Between west 12th & 14th streets
 New York, N.Y. 10014 )
ちなみにジョナサン・ラーソンの『tick,tick…BOOM!』の初演(2001年)も
ここだったとのことで、なんだか縁を感じてしまう。
http://www.theaterguide.co.jp/pressnews/2006/11/01.html

トミーがコンサートを行っている、Giants Stadium(ジャイアント・スタジアム)
は、位置からすればこのシアターの川向こうなのかしらと思ったら、とんでもない。
このスタジアムはフットボールのニューヨーク・ジャイアンツと
ニューヨーク・ジェッツの本拠地。
http://wikimapia.org/809/jp/
世界最大とも言われる野外音楽設備を持ち、フットボールのオフシーズン
には野外コンサートにもよく使われ、7万8千人近く収容できるという。
ところが地図を見ると実際にはえらく遠い。
ハドソン川だけでなく、もう一本ハッケンサック川まで隔てている。
こちらはニューヨークではなくニュージャージー州。
「あたしの声が聞こえる〜?!」といくらヘドウィグががんばっても絶対無理!
ここはやっぱり現実ではなくフィクション部分。架空のスタジアム。
タイタニックや巨人伝説に響きあうよう、
ジャイアンツという名前のイメージが大事だったのだと思う。

思い起こせば『tick,tick…BOOM!』で、ジョナサンはソーホーに住んで
アパートの屋上からハドソン川を見下ろしていたし、
親友の死病の宣告に動揺してセントラルパークを駆け抜けていた。
『Last Five Years』でジェイミーは
「♪そっちはジョン・レノンの そうさ ダコタ サンレモは北のほう
 このミュージアムは知ってる? 行こう 恐竜がいる」と
キャシーをデートに誘っていた。
恐竜で有名なのはセントラル・パーク沿いのアメリカ自然史博物館だ。
そう、ここ最近耕史くんが演じたミュージカルの主人公は皆ニューヨーカー。
彼が転機になった作品、といつも名をあげる『RENT』だってそうだし。
いつかミュージカルゆかりの場所を実際に歩いてみたいなあ。

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