友人の日本画家からレコメンドされた京都の2スポット。
《何必館》と《智積院》。
特に智積院の等伯『楓図』は、彼の作品にオマージュされた記念碑的屏風。
その話題になった時はすでに年末の京都 tripenart がプランニングされていたけれど、智積院の名品が同時期に六本木へやってきていることを知り、塔頭部部長の判断により、智積院本院への訪院は次回にすることとした。
『京都・智積院の名宝』(サントリー美術館)
訪ねてみようと思っていた作品がやってくる。これまでも、このような経験に浴しているのは日ごろの積善の成果に違いない。(←違いない)
展示品の多くは門外漢ばかりで速足となったけど、目的の国宝屏風に足が止まる。
『楓図』(等伯)『桜図』(久蔵)
等伯・久蔵親子による国宝2点。
他にも門外不出だった等伯『松に黄蜀草図』や国宝である『松に秋草図』も展示されていて眼福を得る。
隈研吾作品のサントリー美術館に併設される茶室『玄鳥庵』に入室することができた。
ミッドタウンの6階とは思えない静謐な作りの茶室に、入室できるのは12名限り。
その中の親子連れ4組。お母さんたちは畳に上がり、娘さんたちはおいらと同じくテーブル席で呈茶を待つ
「何年生?」
「私たち、みんな2年生です」
呈茶を待つ時間、もちろん隣り合っておしゃべりをしてはいたが、それでも茶室の雰囲気を感じ、ささやきでしかない。
飽きることもなく、しっかりと背筋を伸ばして着席する4人の小学生。
「どこの小学校なの?」
「学習院です(キリッ)」
いけね
聞かなきゃよかった。
なるほど、しっかりした子供たちだった。恐れ多くて、その後の会話はやめておいた。
いただいた裏千家のお抹茶がいつもより苦かったのは、TPOのエッセンスに違いない。
『DOMANI 明日展 2022-2023』(新国立新美術館新)
明日のアーチストを発見するプロジェクトDOMANI展。
ギャラリーから招待券をいただいて、六本木ついでに拝観。
入選者の多くが文化庁の助成により海外へと旅立っていく。
過去の受賞者作品の展示が特に面白い。
『ニューヨークで考え中』(近藤聡乃)
すでにコミックス化されているニューヨーク在住の漫画家による普通のニューヨーク生活日記。8月に行ってきたことを思い出しながら、ニューヨークのあるあるにほくそ笑む。
ファンらしき女子がノートを手に、パネル1枚1枚に目を凝らしていた。
横目にノートを観たら、書き込みが全部英語。おそらく日本人女子のはずなんだけど、きっと近いうちにアメリカへと旅立つのだろう
こんなインスタレーションも過去の受賞者作品。
漫画やラブローに比べて、観客の少なさ(というよりゼロ)が気になったのはおいらだけでもあるまい。
そういえば、昨年同所での『リーウーファン展』は、平均して1日500人の観客しか呼び込めず汚点を残した結果になったそうだ。
当時、先生が厳しい評価をしていたけれど、やはりキュレーションに難ありだったのか
別展示室で開催していた展覧会も無料入場可能とあって覗いてみる
『Idemitsu Art Award』
グランプリ作品はおそらくランドリーボックスの洗濯物
このような展覧会では自分自身でベストを決めていくのも興味深い鑑賞方法のひとつ。
オスカー賞は茅根賢二作品『Trail』。
選評「躍動感が素晴らしい」
公募展と同時に開催の企画展「Idemitsu Art Award アーティスト・セレクション 2022」。こちらも過去受賞者による作品展。
マイベストはこれ。
倉敷安耶作『Transition #Ophelia』『Transition #Salome』
他の倉敷作品も鑑賞したくなる。
学芸員がラップバトルでトーナメント!? 美術館のぶっ飛んだ企画が「配信してくれ」「気になりすぎる」と話題に
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=7252924
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