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2019年05月03日10:36

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文學者之墓

 海老沢泰久さんの大ファンとして、一度も墓参できていないことをずっと気に病んでいた。それがやっと昨日かなった。今年だけのゴールデンウイーク十連休を利用したのだ。
 海老沢さんが眠るのは静岡県にある冨士霊園の一角にある「文學者之墓」。これは公益社団法人日本文藝家協会が管理している一角で、会員だった多くの作家が眠っている。
 家から一番近い入間インターチェンジから圏央道、中央道、東富士五湖道路を使って終点の須走まで渋滞しなければ二時間かからない(昨日は一時間三十分ばかり渋滞したけど)。そこから富士霊園までは十五分ほどで着く。何ともあっけなく、なんでもっと早く行かなかったんだと自戒した。
 ざっと四百人ほどが眠る文學者之墓の一帯をぶらぶら散策したところ、ちょっと意外だったのは、花が飾られている作家は三人ほどしかおられなかったことである。司馬遼太郎さんのところにもなかった。ファンが全国に何万人もおられるようか国民的作家だから花が絶えることなどなさそうなものだが、そういうことでもないらしい。
 海老沢さんが小説新潮新人賞を受賞したときの審査員のお一人だった源氏鶏太さんの名前を発見できたのは嬉しかった。
 四百人ほどのうちに、一割弱は名前が赤く掘られている。最初は意味が分らなかったのだが、散策しているうちに気づいた。存命の作家は赤いのだ。存命のうちにそういう手続きを済ませているということなのだろう。そして、赤い文字の作家に清水義範さんの名前を見つけて驚いた。三月までこの方の文章教室に通っていたのだ。
 何はともあれ、没後十年の今年、ついに墓参できたことは何よりである。
 心を落ち着かせて、ゆっくりと参拝した。
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