私が子供のころ、つまり昭和40年代くらいまでは金沢のような地方都市では「お寺」がまだ地域の中心にあったような気がします。もちろん「公民館」というような公共施設も出来ていて、そちらも中心的な立場ではありましたが、それでも小さなお寺さんが町内をまとめていたように思います。
人と人のつながりが町内を中心にして現実世界の塊としてそこここにあったような気がします。何やかやと主婦や子供たちがお寺さんに集まっていたように思います。北陸は浄土真宗の根付いた真宗王国でしたから、そういう報恩講のような宗教儀式がしっかりと今も残っています。
目に見えるつながというものが地域社会でしっかりと出来ていた時代でした。
今は目に見えないネット情報社会の繋がりが全国規模で人々を繋げる時代になりました。まだ70歳以上のお年寄りは公民館を中心とした現実世界のつながりによって生きています。地方はまだまだそういう現実世界のつながりが生きている社会です。
でも将来はどうなるのでしょうか?ネットがこれまで以上に発達していけば人と人のつながりというものは目に見えないものに完全になり替わってしまうのでしょうか?それとも逆にネットによって現実の人と人のつながりがより密接になって地域と中央との隔たりが無くなっていくのでしょうか?
人と人の繋がりというのは心がつながることが基本です。生活と生活がつながっていてこそ心が分かりあってつながっていくような気がします。
本当の意味での人と人の分かり合いが出来ることが温かい社会を作っていくような気がします。
そういう意味でネットが良い意味での心と心の触媒のようなものになって行けばいいなぁと思います。
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