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2014年03月30日21:46

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「劇的なる光を求めて」v.10(特集ロックオペラモーツァルト)

昨日の記事で触れた雑誌『劇的なる光を求めて』vol.10。
舞台照明の専門誌らしく、一般書店に置いてはいないもののようだが、
演劇誌とはまた違う技術的な内容が新鮮だったので、
もう一度よく目を通したくて、展示最終日の今日、再度行ってみた。
印象的だったところを頑張ってメモしたので記しておく。

「劇的なる光を求めて」v.10(2013 Summer)
LDC-J(ライティングデザイナーズクラブオブジャパン)journal

特集 ミュージカル「L'OPERA ROCK MOZART」
照明家・高見和義の仕事部屋
p.2-7(一部抜粋)
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「あの美術のコンセプトは菱形部分がオペラでトラス部分がロック、
すごく簡単にロックオペラミュージカルを表現しているんです。
センターの柱はモーツァルトの時代のエンタシス柱の頭を切って巨大にしたもの。
バロック、ロココ、モードをミキシングした。
トラスの部分は、音楽がモーツァルトのクラシックミュージックを
ロック調にアレンジしたことに合わせて、
銀色のトラスを吊ってコンサート風に見せようと思ったから、
トラスを内側に入れています。」
(美術家・松井るみ氏談)

「最初は柱が真っ二つに割れるだとか、開帳場の台の床をLEDで敷き詰めて
発光させるとかのアイデアも出たけど、やはり予算の問題で。
でも映像はどうしても使いたいということで、プロジェクターをサイドラダーに吊って。
あとトラスにLEDを仕込んでます。」
(舞台監督・二瓶剛雄氏談)

【打ち合わせは?】
「トラスに灯体(スポット)を吊ってコンサート風に見せるのはいかがなものか、
という高見さんとのせめぎあいはありました。
トラス部分にLEDを入れていろいろな色に染めるというアイデアは
高見さんからのアイデアで、あれは有効でした。
見た絵も変わるし、ムービングスポットをトラスに吊っても
2、3パターンしか現実的には変わらないし、重層的な限界もありましたし。」
(るみ氏談)

【モメタことは?フィルとのズレは?】
「ほぼダメ出しはなかった。ただ「ロックオペラ」ということで
いろいろなエフェクトを組んでいたら、ちょっと照明がうるさいということで、
意外にナチュラルな照明を好む方で、
「ここは照明がROCKするのはなしにしましょう」という方向にエフェクトは減っていった。」
(照明・高見和義氏談)

「やはりSSですかね。高見さんは各地にブームで立てたかったらしいけど
役者の登退場と衣装のふくらみなどで、演出サイドからのNGで一切置けなかった。
そこで高見さんからの提案により、ウインチでラダーを吊り上げて頭上に仮設しました。」
(二瓶氏談)

「フィルはものすごく技術的なことがわかっている演出家でした。
例えば、舞台の一番前にショーカーテンと呼ばれている半透明の幕があるのですが、
それが空調であおられるかあおられないか、そこまで言って来る。
あおられることで前のアクティングエリアが狭くなるから、
下場にパイプをいれるかチェーンをいれるかどっちにする?とか。
盆の回転と階段の入り込みぐあいだとか、
ここで見えるか見えないかもわかっていて、
転換の秒数もスコアのここでいきたいから何秒で回転させてとか、
具体的でやりやすかった。」
(るみ氏談)
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照明デザインがよくわかる舞台全体像の写真も数葉あった。
・カーテンコール
M47「フィナーレ」

・SCENE1(プロローグ)
M3「神の怒りの日」

・SCENE2(ザルツブルク宮殿)
M4「不可能への挑戦)

・SCENE5(マンハイムの宿)
M14「ルーチョ・シーラ〜アロイジアのアリア」

・SCENE7(パリ/パレ・ロワイヤル)
M19「君の胸のタトゥー」(引き、寄りの2枚)

・SCENE3(マンハイムの酒場)
M8「トラブルメーカー」
 同じシーンのビジュアライザーの画面
 同じシーンのムービングライトのデータシート

使われた写真はすべてルージュヴァージョン。
このコーナーは写真OKだったので、表紙や見開きも撮影してみたが、
裏表紙の左端に立つ仮面の男は、まごうかたなき耕史サリエリ。
その白い仮面の下の美しき顔を思い浮かべながらしみじみと眺めた。
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