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2014年03月29日00:45

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ウォルト・ディズニーの約束

3月26日、TOHOシネマズ渋谷にて鑑賞。
http://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/walt

予告を観て行く気になったのは、
映画『メリー・ポピンズ』が好きだったから。
まだ幼かった息子と一緒に繰り返し楽しく観て、歌は全部覚えている。
その映画ができるまでの舞台裏なんて興味をそそられるじゃないですか。

『チム・チム・チェリー』、『お砂糖ひとさじで』、
『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』、
『楽しい休日』、『2ペンスを鳩に』、『凧をあげよう』など、
名曲の数々が生まれてゆく過程にわくわく。やっぱり名曲揃いだなあ。
ディズニー王国を支えるスタッフの面々、脚本家のドン・ダグラディや、
作詞作曲のシャーマン兄弟なども生き生きと楽し気。
60年代のファッションも目に楽しい。

頑固な作家パメラ・トラヴァース役のエマ・トンプソンも、
ウォルト・ディズニー役のトム・ハンクスも好演。
これでもかというくらい文句ばかりまくしたてるパメラには、
呆れるのを通り越して笑ってしまう。
ディズニーキャラクターで飾り立てられた部屋にうんざりして、
全部目に触れないところに押し込める気持ちはわからないでもないけれど。

映画化契約のための交渉と並行して描かれる、パメラの少女時代。
彼女が作品のアレンジに対してがんとして譲らず頑ななのは、
幼い頃の父との絆と哀しい思い出のトラウマだということが、
だんだんと分かってくる。
メリー・ポピンズがナニー(乳母)をつとめるバンクス家の主人バンクス氏は、
嫌々ながら銀行勤めをしていた彼女の父親の投影なのだ。
(映画の原題は『Saving Mr.Banks』)

空想好きの少女にとって、一緒に遊んでくれるやさしい父は、
唯一無二の騎士のような素晴らしい存在だけれど、
社会的には出世街道を外れ、生活能力に欠けていて、
酒におぼれて身を持ち崩す男。
都落ちの感じでたどり着いた家はまるで「大草原の小さな家」。
子どもたちをかかえて苦労する母親も精神的に追い詰められる。

この少女時代の部分は、もう一本の映画を見るようで見応えがあった。
彼女が父に抱かれて馬で駆ける草原の風景は美しく、
オーストラリアやニュージーランドを舞台にした映画のあれこれを思い出す。
それにしてもこんな自然豊かな高温多湿そうな地で、
イギリス本土の生活スタイルを持ち込むのは愚かなことだなあ、と
『ピアノ・レッスン』を観た時と同じ感想を抱いてしまう。

少女時代のギンティ(パメラ)を演じた子役アニー・ローズ・バックリーヘレン、
文句ばかりのパメラに手こずりながらも、心を通わせてゆく運転手ラルフ役の
ポール・ジアマッティも素晴らしく、後味の良い作品だった。


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