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2006年07月16日20:59

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雑司が谷霊園

クドカンの楽しい昼ドラ「吾輩は主婦である」が先週末終わってしまった。
毎日の楽しみだったのにぽっかりと寂しくなって、
なんとなく夏目漱石のお墓にでも詣でようかと自転車で雑司が谷へ。
むし暑いけれどこんな曇天は墓参にふさわしいような気がする。

ここに来るのはずいぶん久しぶり。
熱心な鏡花ファンである私は上京後すぐ彼のお墓に詣でたが、
漱石の方はうろ覚えだったので管理事務所の方に位置を訪ねた。
係の女性:(図を指し示しながら)
「ここですよ。何かあったんですか。お参りの方多いですが」
私:「あー、先週まで昼ドラマで漱石のことをやってましたので、それでだと思います。墓地も出てきましたし」
「ああ、撮影は許可してないんですよ。あれはスタッフの方が作ったものですね」
「そうなんですかー。レプリカなんですね。確かに墓石が妙に新しそうでしたけど、背景の緑はこんな感じでしたよ。ここの隅ででも?」
「いえ、ここじゃないです。どこかの公園にでも置いて撮影したんじゃないですか」

そうでしたか…。でも映像は架空の世界なんだから当然と言えば当然。
教わった通り霊園の中央通りをまっすぐに1-14番地へ。
いちょう通り近くの1種14号2側に入ると、
最終回の場面で見た通りの大きなお墓。
お花や折鶴なども供えられている。
左隣にはお孫さんの房之介氏が建てられた「夏目家之墓」。
平成11年建立とあり、まだ新しい。
対して漱石と鏡子夫人の戒名の刻まれたお墓はとても大きくて立派。
裏には俗名夏目金之助、俗名夏目キヨとあった。
早くに亡くなった夫妻の五女の名も並ぶ。
しばし瞑目して合掌。

久々に鏡花の墓にも詣でた。
事務所で鏡花の墓にもお参りを、とさっき言ったら
「あらさきほど見えた方も漱石と鏡花のお墓を聞かれたんですよ。
やっぱり何かあったんですか?」
「あー…、今歌舞伎座で鏡花劇ばかり4作品上演中ですから、
なんとなく墓参を思い立つ人もいるんじゃないでしょうか」
「なるほどね。ドラマは強いですね」
私もその一人。ミーハーですみません。

鏡花の墓は奥まっているので道に面して「泉鏡花墓入口」との碑がある。
その碑と1種1番14側の立て札の間を入ってゆく。
細い道はゆるやかに下り、かなり先まで進むと、
「泉鏡花 泉鏡太郎之墓」の墓碑が立っている。
角地で日当たりの良かった夏目家の墓と比べると、
ここは大きなケヤキなどが多く、林の中のようだ。
湿り気が多く苔の色も風情で、なんとなく鏡花にふさわしいような。
右手のやさしげな楓の木が枝をのばして
彼の墓の天蓋のようになっているのも良かった。
この静けさはここが池袋の繁華街に近いということを忘れさせる。

「吾輩〜」のドラマはほとんどセットだったけれど、
たまに出てくるロケ地は見知ったところが多かった。
みどりさんが空き巣を追いかけて走る目白の千登世橋。
たかしくんが鼻歌歌いながら郵便配達中の向原近く。
みどりさんそっくりのみのりさんが立ってた都電の駅は多分巣鴨新田。
胃潰瘍を知らされた病院はお茶の水の三楽病院。
そのあとたたずむ聖橋。
総武線、中央線、丸の内線の三交差が見られ、本当に絵になる場所。
早稲田の夏目坂も漱石公園も出てきたし、
椿山荘近くの神田川・駒塚橋でみどりさんとちよこさんが
会話してる場面もあった。
その直後ちよこさんが駆け上がるのは急な胸突坂の石段。
想像場面でちよこさんが着物姿で立つ朱塗りの橋は
目黒川にかかる品川の鎮守橋かな。
いつかまた確認しに行ってみたい。
東京はさまざまな顔を見せるオモチャ箱のような町だなあ。
いくら歩いても飽きない。


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