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2011年01月03日00:55

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半兵衛を見ながらジーザスを想う

ついに来た新春ワイド時代劇『戦国疾風伝 二人の軍師』(テレビ東京)。
http://www.tv-tokyo.co.jp/gunshi/
夕方4時から夜11時までリアルタイム鑑賞。

うーん。
期待しすぎたせいか、演出の根本的なところには言いたいことが山ほど。
図式的記号的に過ぎ、女たちの描き方もちょっとどうなの?というのもあり、
細かいところではあの近代的位牌と墓は有り得んだろう!という脱力感だとか。
(何せ歴史好きのうえ某仏具会社勤務のため、そういうディティールには
超うるさい息子と共に観たので二人して突っ込みまくりだった)
でも半兵衛さまは期待通りうつくしく儚げで限りなく優しく、素晴らしかった。
脚本の尾西氏は『陽炎の辻』も手掛けられていたし、
耕史くんの磐音のイメージも重ねながら書かれたとかで、
それももちろん連想させられたけれど、
半兵衛には世俗を超越した、この世のものではないような清澄感があって、
言葉のはしばしに、つい先日まで観ていたジーザスを思い出してしまった。

たとえば稲葉山城を盗るとの企みを舅である安藤伊賀守守就に告げ、
積もり積もった恨みのためかと問われて、
「いえ、愚かな者が為す愚かな仕打ちに恨みなど抱きません」と返すのは、
「ああ、でも僕が言いたいのは、悪い人間には手向かうなってことなんだ」
という”復讐”についてのジーザスの言葉を思わせたし、
官兵衛との最初の出会いのあと見送る際に、彼の気負った言葉に対して
「志は心に秘めるもの。ひけらかすものではないと思っただけです」
と暗にたしなめるように言うのも、
「ひけらかしてはいけない」
「困っているひとを助ける時には、誰にも気づかれないようにこっそりとね」
という言葉を連想してしまう。

私心なく常に民のことを思い続けるその言葉。
それはこの世を去ったのちにも、官兵衛の心に強く根付いて、
「半兵衛殿ならばきっとこうおっしゃる」という指針となる。
まさに神のお言葉(ゴッドスペル)じゃないか!
このドラマの半兵衛は全編透き通るような、天使のような趣で、
その崇高性はやはりジーザスに通じるような。
このイメージはまだ当分続きそう。

ちなみに竹中半兵衛は享年36歳となっているが、これは数え年なので、
今風の年齢表記だと35歳のはず(1544年9月27日〜1579年7月6日)。
史実のイエス・キリストも磔刑とされたのは30代半ばのはずで、
耕史くん演じるところの、史実の35歳(頃)に亡くなった人物の役は、
また増えたようですね。
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