ウエストプロムナード（『Mother』第4話ロケ地）

＜奈緒と果歩の携帯会話場面＞
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カメラ、画面右手から左側のほうにゆっくりとパン。
公園のベンチに腰かけ、果歩に電話している作業着姿の奈緒。
昼休み中の様子で、そばにお弁当や飲み物。画面奥に白っぽいビル。
近くをコンビニの袋を提げたサラリーマンやＯＬが行き来している。
奈緒「ごめんね。果歩にばっかりお願いして」
果歩「ううん、今ね、外でランチしてるところ」
　　…（中略）…

*果歩が奈緒と話している間に、駿輔が継美に近付き、
　浦上と道木仁美の写真を見せて、問い詰めたことによって、
　継美はおびえてレストランから逃げ出してしまう。

果歩「ごめん！見つからないの！」（レストランから道に走り出ながら）
奈緒「今、行くから。（パンフレットを膝に載せ、ペットボトルのお茶を手に）
　何があったの？」
果歩「わかんない！急に…（しゃべりながらレストラン入口のほうへ戻り）
　室蘭で会った記者の人に会って、話しこんじゃってたから」
奈緒「！」（バストショット）
果歩「あ、警察に行くよ！」
奈緒（動揺）「…大丈夫。私が行くから、家で待ってて。お願い」
あわてて持ち物を片付けようとする。
お茶や食べかけのお弁当のそばに、フリースクールのパンフレットなどが数冊。
と、携帯の着信音。急いで出る奈緒。「見つかった？」
葉菜の声「はい。今、継美ちゃんと一緒です」
奈緒「…えっ？…」
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清掃作業のユニフォーム姿の奈緒が、勤務地近くで昼食を採っている姿は、
この後、第7話のパレスサイドビルロケ場面でも出て来たけれど、
そこらで買ったものではなく、いつも自前のきちんとしたお弁当。
ここでは、継美をなんとか学校に通わせてやりたいと願って、
フリースクールなどの資料を集め、昼休み中に目を通しているのが分る。
彼女の生真面目さ、健気さが強く感じられていじらしい。

そんな最中、果歩に託されていた継美は、駿輔に問い詰められておびえ、
その場から走り去ってしまって行方知れず。
レストラン周辺を探して焦る果歩と、公園ベンチの奈緒との携帯の会話は、
カットバックの畳み掛けにより、緊迫感がつのる。

＜奈緒の居る公園＞
この時、果歩が継美と食事をしていた店は、ロケ地ガイドにもすぐ出た通り、
用賀のイタリアンレストラン・マルデナポリ。
そちらはすでに確認済みだけれど、一方の奈緒の居る場所は不明のまま。
四話のエンディングに流れる撮影協力地に公園やそれに類する名称はなく、
頼みのロケ地ガイド、ロケ地案内でも不明としか書かれていない。

・全国ロケ地ガイド
http://location.la.coocan.jp/mother2010.html
「Mother」ロケ地043
→×鈴原奈緒が鈴原果歩と携帯電話で話していた場所(4話)
（×は場所不明の印）

・ドラマロケ地案内
http://location.la.coocan.jp/mother2010.html
第4話　奈緒が果歩と電話で話をしていたところ
→分かりません。情報をお持ちの方はお知らせ下さい。

奈緒の座っている木のベンチ周辺がウッドデッキになっていることくらいしか、
特徴らしきものは見つけられないが、
「ウッドデッキ」「公園」のキーワードで探しても、雲をつかむような話。
エンディングでは複数の病院名が出ているから、
病院の中庭の可能性もあるかもしれないとは思ったのだが、
場所としては行きにくいところばかりで、そのままになっていた。

＜ウエストプロムナード＞
話せば長いことながら、ここを発見したのは偶然の産物。
数か月ロケ地めぐりを続けて半ば習慣化したせいか、
まだ落ち穂拾い的な関心は続いているので、
「ドラマロケ地案内」の第4話の部分に載っていた
・奈緒と葉菜がベンチに座って話をしていた公園→
江東区青海2丁目 シンボルプロムナード公園の「ウエストプロムナード」も、
一応確認しておこうかと足を運んだのだ。

奈緒が捨て身の決意で自らの眼の周りにあざをこしらえ、
なんとか学校に通うための審査を切り抜けたあと、
ほっと一息ついて葉菜と語り合う公園のベンチ周辺は見ておきたかった。
継美が花を摘んで奈緒と葉菜に渡し、皆が頬笑み、
つかの間の安らぎを感じている良い場面だし。
花を積んで葉菜に渡す継美の姿から、
奈緒が自分の小さい頃の記憶を呼び覚ます、重要な伏線でもある。

ちなみに「全国ロケ地ガイド」のほうでは、
ロケ地046 ×鈴原奈緒と望月葉菜が審査の後に話していた公園(4話)
となっていて、場所は不明となっている。
長らくこちらだけしか参考にしていなかったので、
あとになって「ロケ地案内」のほうでお台場の公園と知り、意外だった。
背後の木の大きさから言っても、もっと古い林のように思っていたから。

地図で調べると、最寄駅はゆりかもめの台場駅やテレコムセンター駅か、
りんかい線の東京テレポート駅。
このあたり、去年12月にはZepp Tokyoでのヘドウィグ公演のために通ったし、
今年3月には『パンドラII』のエキストラロケで国際交流会館に来たけれども、
そもそもお台場は得手ではない。
徹底的に人工的無機的で、何を使っても交通費が馬鹿高く、
気持ちの向かないところなのである。全然私好みじゃない。
やれやれお台場か…というのが正直なところ。
でもまあせっかくだから、と第四話の画面写真を撮り直して行ってみた。

＜シンボルプロムナード公園改装＞
何しろお台場嫌いなので、その周辺のことはとんと知識がない。
シンボルプロムナード公園などという名も聞いたことがなかったので、
行く前に一応、周辺の様子も含めて調べてみた。
この公園は港区台場、江東区青海から有明にかけての長細い都立公園で、
名の通り、舗装された「プロムナード（遊歩道）」と
シンボル性のあるオブジェを中心としているという。開園は1996年4月。
テレコムセンターからフジテレビ側を南北に結ぶウエストプロムナード、
http://www.yurikamome.co.jp/blog/hp0001/index.php?BCNo=1&SNo=47
http://www.tptc.co.jp/park/symbolpromenad/news/tabid/484/Default.aspx
東京国際展示場から有明テニスの森公園を南北に結ぶイーストプロムナード、
そしてこの2つのプロムナードを東西に結ぶセンタープロムナードに分かれる。

埋立地だし、あまり大きな木のイメージがないなあと思いつつ、
東京テレポート駅から、その遊歩道をめざして歩いてゆくと、
フジテレビにほど近い一画が掘り返されて、立ち入れなくなっている。
どうも地図によると、そのあたりが一番緑が固まっていそうなので、
もしや撮影場所に手が入ってしまったのでは、と不吉な思いを抱く
輪切りになった木も遠く見えるが、とにかく入れないのでは仕方ない。
そこはあきらめ、遊歩道をテレコムセンター側に向かって歩いた。
距離は結構あるのだが、行っても行ってもそれらしき木々はなく、
平面的な景色が続く。該当しそうなところは全然ない。
きらきらしたガラス張りのビルと、わずかな木々と大きなオブジェ。
やっぱり工事で消えちゃったのかな。

＜ウッドデッキの場所＞
もうどん詰まりの滝の広場手前というところになってはっとした。
足元のウッドデッキ！木を中心に四方を取り囲んだような平たいベンチ。
向こうに目をやると、白っぽいビルと、外階段。
二つ並んだ白いごみ箱と、三連になったステンレスのごみ箱。
これは奈緒さんの座ってた公園じゃないか!?
あわててその場面の画面写真を見てみると、ぴたりと同じだった。
ここだったのか！怪我の功名とはこのことだ。
葉菜さんたちの居た場所は見つけられなかったけれど、
どこにも情報が出ていなかった奈緒さんの居た公園が見つかったのは救い。

帰宅してスタッフブログ「Mother手帳」も見直してみると、
「今夜10時　第4話です！」（5月7日）の記事の撮影風景は、
まさにこの場所だった。
http://www.ntv.co.jp/mother/blog/
すぐ近くにある「ROUND STRUCTURE-1995」という赤いオブジェや、
全面ガラス張りの、まぶしいようなフジテレビ湾岸スタジオが背景に見え、
スタッフの足元はウッドデッキ。
ここは滝の広場にほど近い、産業技術総合研究所前だったのだ。

そしてスタッフブログ5月5日付の記事の写真こそ、
継美ちゃんのお花摘み場面の撮影風景のようなのだが、
ここいらとは違う場所のようにも思えて、ここがウエストプロムナードの、
工事で消えた部分とは確定できない気がする。
忘れずに心がけていれば、ふいに出会うことがあるかもしれない。