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2009年03月03日23:51

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うちのお雛様

桃の節句だというのに寒いこと。窓の外は雪。
でも新暦による季節行事は、もともとズレが大きいから、
季節感に合わないのは致し方ない。
旧暦の日付を今に直すと、本来雛祭りは4月近くの行事なんだもの。
確かにその頃でなければ桃は咲かないし、
うらうらと春らしい陽気にはならない。
今咲いているのは梅の花。
紅梅は桃の色を思わせて可愛らしい。

それはともかく、3月3日は亡き母の誕生日。
兄二人のあとに生まれた初めての女の子だったし、
そのうえお誕生がちょうど雛祭りの日だったから、
ずいぶんお祝いしてもらったらしい。
母のお雛様は、どんなものだったのだろう。

私のお雛様は、慣例通り母の実家から贈られたもの。
三人官女、五人囃子、お道具までいっぱい揃った七段飾り。
緋毛氈を敷いて飾るのはいつも楽しかった。
昔はこの家にも御殿付きのお雛様があったと母から聞いて、
「見たい」と言ったら、もう燃やしてしまったという返事で、
とてもショックだった。
「御殿のほうが見たかった」と駄々をこねると、
「ひとつのおうちにお雛様がふたつあってはいけないの。
 喧嘩してしまうから」とたしなめられた。
お雛様同士の喧嘩って、それは凄まじい争いのような気がして、
不承不承あきらめたけれど、
お雛様にはなんとなくこわいようなイメージが残った。

実家の処分の時、やはり雛人形は手離すに忍びなくて、
一応こちらに持ってきたけれど、
飾るだけのスペースが作れなくてそのまま。
その代わりに、母が手作りした小さなものを出している。
着物の端切れを重ね合わせた十二単衣。
頭は、ペーパーフラワーのめしべなどに使うような、白い楕円に
黒い布で作られた髪や冠が付いている。
目鼻もなにも無いけれど、なんだか品があって愛らしい。
母を偲んで、まだしばらくは飾っておこう。
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