家内の親しい友人がお世話になっている玉島教会が創立100周年を迎えるので、記念事業としてリードオルガンの修復を行うことになりました。優れた技術者の手で見事に完成したリード・オルガンの完成披露演奏会があるというので、家内のアッシー君として玉島教会まで一緒に行ってまいりました。
古いリード・オルガンはほとんどの場合、鞴(フイゴ)の布が破損していて空気漏れを起こしており、力強い音を出せないケースが多いようです。修復成ったこのオルガンでは、素晴らしい腕前のオルガニストの手で今までのリード・オルガンのイメージを払拭するような力強い演奏を聞かせてくれました。
ストップが11個もあり、オルガニストの方によるオルガンの機能をフルに聞いてもらえるような選曲とだれにでも分かるような解説で楽しませていただきました。あるキーを弾くと1オクターブ下のキーが同時に下がって2重の音が出るというバスカプラーというストップがあり、西洋音楽の基盤となる豊かな低音が、完全な鞴の強力な風圧で朗々と鳴っていました。エオリアン・ハープというストップでは木々の葉ずれの音のような少しかすれたさわやかな音もでていました。
このオルガンでは静かな曲の終わりに、音がピアノになりピアニシモになり空間に溶けて行くような弱音で音が消えて行くんです! これは空気漏れの無い完全は鞴があって初めて実現できることなのです。
ある曲では特定の低音がずっと鳴りっぱなしだったので、どのようにしているのか眺めていたら、鍵盤のキーの上に鉛筆を挟みこんでキーが戻らないようにされていました。
今まで聴いていた壊れかけのリード・オルガン(フガフガと頼りない低音、鳴っている間に風が足らなくなって音が下がる高音)のイメージを拭い去る素晴らしい力強さに満ちた演奏会でした。
写真1はプログラム、写真2はオルガンの正面で鍵盤の上にストップのノブが11本見えます。写真3はオルガンの内部。
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