大阪市北区中之島にある国立国際美術館で開かれている「ロシア皇帝の至宝展」に行ってきました。お目当ては「ニコライ�鏡い�愛したオルゴール」と題したオルゴールの演奏会です。
国立国際美術館は写真のように特別とっぴな外見の建物で、地上に見えるのは写真のような金属のパイプで出来た巨大なオブジェと小さな入り口、エレベーターとエスカレーターの乗り口だけです。展示ｽﾍﾟｰｽなどはすべて地下1階から地下3階に納められています。これって普通の建物の2倍以上の建設費がかかっているでしょう。建物として機能を実現させるための必然性が全く感じられない装飾だけで固められた建物、いわばウルトラバロック建築ですね。
さてオルゴールの演奏会はロシア皇帝ロマノフ家の最後の時代、ニコライ�鏡い�愛好した音楽として堀江オルゴール博物館から持ち込まれたシリンダー・オルゴールとディスク・オルゴールが紹介されました。シリンダー・オルゴールはベーカー・トロール社製の大きなインターチェンジアブル・シリンダー・オルゴール、ディスク・オルゴールはレジーナ社製の27インチフォールディングトップでした。定員が150名ぐらいのホールでしたが、音響は素晴らしく私が座っていた最後部の座席でも充分に聞き取ることが出来ました。このホールが満員になったのはこれが初めてとのことです。日本の博物館でいつも思うのですが、写真撮影禁止は残念です。パンフレットを掲載してもネ〜〜。
ついでに（失礼な表現ですネ）ロシア皇帝の至宝展とやらを見学しました。巨大な貴金属で出来た品物に、これでもかというぐらい宝石をちりばめたスラブ的（＝イナカッペ的）装飾には辟易です。キリスト教に関する祭儀に使う備品も、ここまで宝石や貴金属、彫刻、刺繍などで飾り立てると教義に反するのではないでしょうか？ 質素なロマネスク様式の方がキリスト教と言う考え方にしっくり来ると感じるのですが。
至宝の最後に有名なファベルジェ工房で作られたクレムリン・エッグがありました。写真で見えるように小さなキーが付いており、小型のオルゴールを組み込んでいます。工芸品として見た場合、つまりロマノフ家伝来という来歴（プルーバナンス provenance）を考えないのならば、現在日本で作られている蒸気機関車の模型のほうが優れたクラフツマンシップを顕しているのではないでしょうか？ 今の時代の模型蒸気機関車を作る工法（今でも鋸やヤスリ、半田鏝などの手工具に頼る工法）は、このファベルジェ・エッグを制作する工法と全く同じです。この写真は著作権の問題がありますので2〜3日中に削除する予定です。
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