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2024年04月24日21:42

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舞台『鴨川ホルモー、ワンスモア』

 池袋のサンシャイン劇場での観劇は約二十五年ぶり。そのときは松本幸四郎(現松本白鸚)、市川染五郎(現松本幸四郎)親子主演の『アマデウス』だった。
 二カ月ほど前に直木賞受賞作の『八月の御所グラウンド』を読んでみたところ、とても面白かった。万城目学さんの作品を読むのは初めてだったのだが、もっと読みたいと思わせる力のある作品だった。それでさっそくウィキペディアで調べたところ、代表作に『鴨川ホルモー』というのがあった。「鴨川ホルモー? なんかどこかで聞いた言葉だなあ」と中指を額にあてて記憶を探ったところ、ハタと思い当たった。今度観るヨーロッパ企画の舞台じゃないか! さっそく『鴨川ホルモー』を読むことにしたのは言うまでもない。
 こうしてひょんなことからバッチリ予習して臨んだ舞台だった。
 小説をほとんど脚色することなく、そのまま舞台にした物語になっていた。主人公の青年がさだまさしの大ファンである設定も同じだし、彼が好意を寄せている女の子が「私もさだまさし好きよ。『セロリ』とか好きだなあ」と言うと「それは山崎まさよしです」と返す笑いどころも同じだった。笑いどころと言えば、物語に鬼が登場するのだが、鬼を呼び寄せるための歌がレナウンのCMソング「ワンサカ娘」であるところも同じだった。
 そして実によくまとまっていた。繁華街や居酒屋、河原、アパートの一室など場面転換の多い作品なのだが、暗転もせず一幕もののように見せる演出が冴えていた。たくさんの鬼が出てくる場面もあるのだが、これもCGを駆使して解決していた。三度のカーテンコールも納得、最後はスタンディング・オベーションとなった。
 改めて、生舞台の素晴らしさを実感した。
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