子供のころの遊び場というのは大体2キロ圏内くらいの範囲だったように思います。その中に起点となっていたのが「小橋」という浅野川にかかっている小さな橋でした。橋の近くには交番があり、公園があり、いつもよく行く飲食店があり生活の中で中ぐらいの立ち寄り場でもありました。
その公園にはとても大きな松の木が植わっていて天辺にはトンビが巣を作っていました。そのトンビの鳴き声を聞きながらよく遊んでいたものです。怖い話ですが、その小橋には水死体が引っ掛かっていたこともありました。橋の下の堤防の陰では大きなカニが捕れたものです。その記憶の中の遊び場は鮮やかな色彩には彩られてはいません。くすんだ茶色になっているよう気がします。そのころの日本は高度経済成長の真っ只中でしたが、日本人は稼ぎまくっているときには色彩やデザインなんかは気にしない感じがしたものです。
それでも子供のころの遊び場は楽しい記憶と緩やかなゆとりの風が吹いていたように思えます。
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