こんな夢を見た。
ぼくは一人で日本橋の高島屋百貨店の十階ぐらいにいて、エレベーターに乗って一階まで下りようとする。
エレベーターが三階で止り、扉が開く。すごく混んでたこともあり、ぼくはここからなら階段で下りてもわけないと思い、エレベーターを出る。
すぐ横に階段があり、そこから下りはじめる。
階段は下りるにしたがってどんどん幅が狭くなっていく。なんだか様子が変だなと思っていると、いつの間にかそこは中野ブロードウェイの階段になっている。不気味な感じがするし、少し薄暗い。閉所恐怖症のぼくは早く一階まで下りて商店街に出たい気持ちになる。
階段には最初はぼくしかいなかったのだが、二階から老人男性がぼくのすぐうしろを歩く形になる。
幅はさらにどんどん狭くなり、二階から一階へ下りる階段途中の踊り場より先は人が通れないほど狭くなっている。階段を下りきったところにある扉の枠からは商店街の明かりが漏れている。早くここを出たい。
ぼくは一度、扉を目指して下りようと試みる。しかし真冬で厚着しているため通れない。服を全部脱げば通れるかもしれないが、そこまでするより、いったん二階まで戻って別の階段を使おうと考える。
しかし振り向くと老人がいる。ぼくが事情を話すと、老人も二階まで戻ることにすると言って階段を上りはじめる。
老人だからペースが遅い。ぼくは一刻も早く広い場所に出たいのに。急かすわけにはいかないし、老人を追い抜けるほどの幅はない。パニック障害の発作が出そうになる。
そこで目覚めた。苦しくて目覚めたのだ。
ぼくはしばらくぼんやりし、今見た夢の恐怖をしずめようとした。そしてふと思った。二階まで戻って、もっと広い別の階段を使って一階に下りるという続きの夢を見ない限り、この恐怖心の根源みたいなものは消えないのではないかと。
どうなのだろう。
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