映画ファンなら「アンブリン」と聞けばスピルバーグが設立した映画製作会社だとすぐに理解できるだろう。
先日、ぼくはその「アンブリン」という名の由来はスピルバーグが学生時代に撮った自主映画のタイトルだとふと思い出した。
すごく観たくなったがプロデビュー前の作品だからDVDにもなっていない。
You Tubeで調べてみる。あっけなく発見。ネットには煩わされることもあるが、このような場合には感謝するしかない。
二十五分の地味な作品。音楽だけでセリフはないので、日本語字幕がなくても問題ないのはありがたい。そして映画ではよく使われる「監督の世界観は一本目に凝縮される」という言葉のとおり、その後のスピルバーグ作品を彷彿させるカットが随所にあった。ご興味があればどうぞ。
はみだし
今読んでる本は『棋士という人生』という将棋アンソロジー。なにも今の将棋ブームに乗ったわけではない。村上春樹さんのエッセイが収録されているから図書館で借りただけだ。
しかしせっかく借りたのだからと沢木耕太郎さんや坂口安吾さんや色川武大さんのエッセイも楽しんだ。
で、さらに棋士のエッセイも拾い読みしようと気軽に森内俊之さんや島朗さんや渡辺明さんの文章を読んでみたところ、これがめっぽう面白かった。タイトルをかけた勝負の場面など、将棋に詳しくない人でもハラハラドキドキできる文章だったのだ。
トップ棋士は盤上だけでなく文章にもキレがあることを思い知らされた。
ちなみに村上さんのエッセイは将棋の厳しさについて書かれているものではない。村上さんが通っている将棋会館の近くの床屋は、散髪後のマッサージのとき、「村上さんの肩はぜんぜんこっていない。一番こっているのは棋士だ」と言っているという、実に牧歌的な文章である。
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