多分、この辺は休業日になるだろうと予想して応募したら試写会に当選。
ところが運命は残酷なモノ。
ボスの気まぐれで出勤日になることに…。人生はこんなものだよな。(笑)
大半の会社の就業時間なら問題ないのだろうが、うちは少し遅め…。
なので終わってダッシュして電車に飛び乗ってギリギリだろうか。
万一、満員だったら無駄足になる。
そんな思いをめぐらしていたら、昼過ぎに最寄り電車が人身事故のアナウンス。
「やばい。間に合わないかもしれない。」
電車自体が全体に遅れるなら何とかなるかもしれないが、徐行運転していたらアウトになる。
まるで仕事に身が入らないで午後を過ごす。
若干遅れ気味だったが、何とか滑り込みセーフ。(冷や汗)
『
Dearダニー 君へのうた』
自分にも家族にも不誠実だった男が人生を取り戻そうとする物語。
部分的に実話が基になっているという。
それは売り文句である<ジョン・レノンからの手紙>。
70年代初期に、駆け出しのミュージシャンにあてたジョン・レノンの手紙が長年の時を経て、当人の手元に届いたという奇跡的な出来事を基にして人間ドラマを紡ぎ出している。
アーティストは売れないと困るが、売れ過ぎても困る。(苦笑)
ついて回る“過去の栄光”に振り回されるのだ。
常に前進しようとするアーティストにとっての功罪はよく分かる。
今の自分が作り出す音楽を先入観や偏見なしで聴いて欲しいと思うミュージシャンは数多いだろう。
だが世間は<最大のヒット>のイメージを基準にするし、それしか求めない事も珍しくない。
その結果、アーティストはどうなるか…。
自堕落な<醜い太った豚>(他意はない)になるほかない。
そんな折に初心を思い起こさせる出来事を経て、もう一度人生を輝かせようというのは定番ストーリーだが説得力がある。
偽りない今の自分を見て欲しいという気持ちの表れはホテルの支配人にも向けられる。
もう一つの問題。長年離れ離れになっていた息子との対面という“難事業”に際し、語られる過去の遺恨や抱える問題はありがちではあるが、これも逃げずにキチンと向き合うことが前進の元となる。
定番ネタを面白く演出しているのは
軽妙な“掛け合い”のセリフ。
『カーズ』『塔の上のラプンツェル』『ラブ・アゲイン』などの脚本で知られるダン・フォーゲルマンの監督デビュー作だが、彼のセンスが表れている。フィルモグラフィーを見ると『ラストベガス』に近いかもしれない。
アル・パチーノやアネット・ベニング、クリストファー・プラマーといった芸達者な面々がさりげなく実力の一端をのぞかせる。
過去の栄光とアーティストとしてのプライドの板挟みになる瞬間のアル・パチーノの表情は必見。
なんとパチーノは人生初のミュージシャン役だという。
映画のために作曲された楽曲もイメージにピッタリ収まる。
滅多に使用許可がなされないというジョン・レノンの珠玉の名曲の数々も作品に花を添える。
試写会@明治生命安田ホール
9月 5日より角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA にて上映
ログインしてコメントを確認・投稿する