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2014年09月13日23:12

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君が僕で、僕が君なんだ!(LMTの異なる言語での会話)

静かな「Frozen Tide」のシークエンスのあと、
まだ自分の内側を見つめているようにじっと座っている青年Yのところへ、
外国人女性がやってきて何事か語り掛け、
その言葉が分からない彼に向かって、一方的にまくしたてる。

「すみません、言葉がわからないんですが」
「何を言ってるのか分からない」
異国の言葉が分からない彼の戸惑いが
手に取るようにわかってハラハラするが、
美波さん演じるこの女性がしゃべっているのはフランス語。
Kさんによれば、ここで彼女が何をしゃべっているのか、
フランス語に詳しいひとが聞き取って訳しているのを目にしたとのこと。
こんな感じの会話らしい。

(失礼、そこは私の席なんだけど)と彼をどかせ、
(私のカバンがないわ!)と騒ぎ立てる。
「何を言ってるのかわからない」と戸惑う彼に、
(Quoi?!何ですって!?)とますます激してゆく。
「参ったな…」
(参ったですって?!)
「その言葉がどこでも通じると思わないほうがいい」
いささか閉口した彼は脱いでいた上着に袖を通す。
(パスポートは?)
彼はパスポート、という言葉は辛うじて聞き取れたらしく
「パスポート?パスポートは持ってない」
(チケットは?)
「チケット?チケットなら…ちょっと待って。ああ、あった」
と内ポケットからチップを取り出して見せるが、
彼女がそれを取り上げるので、あわてて制する。
「それしか持ってないんだ。みんななくしてしまって…」
それでも返そうとしない彼女から、
「駄目だ!これは異邦人から盗んだ夢なんだ」と、
強い口調でチップを取り返す。
「僕は旅をしてるんだよ」
(私は旅をしてる)
「そう、みんな旅をしてる。
どこから来てどこへ行くのか、自分でもわからない。
…いいかい、君が僕なんだ。僕が君なんだよ!」
(Ouh la la=あらまあ!)

二人の会話は噛み合わないようでいて、
途中から、いつのまにか相手の言葉を理解しているような
やりとりとなっているのも不思議。

このあと、舞台面にはダンサーたちも登場して、
乱暴に投げ出されるように椅子が置かれ、
不条理劇めいた「le mec dans un train」が始まる。
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