「まったく救いようがないな!
いいか、僕は君たちの好みや偏見なんか気にしない!」
酒場の客たちにしつこくからまれたモーツァルトが、
こう言い放つのをキッカケに、いきなりサビ部分から始まる
『トラブル・メーカー』のカッコ良さには毎回しびれた。
くるくるくるっとスピンして歌い出す耕史モーツァルト。
♪常識なんて ぶち壊せばいい
縛られるのはごめんさ
何を怖れてしがみついている
決められたことを信じているだけ
そんな人生で満足するのか
歌詞内容も、まさにロックンロールしているけれど、
アンサンブルのひとたちが舞台面をスピーディに変えてゆくのも見もの。
歌の要所要所で、四つ並んだ長テーブルの位置がどんどん変わっていくのだ。
酒場の最初の場面では、
俯瞰で見るとテーブルの位置はこう。
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モーツァルトが歌い出す直前に、
アンサンブルの手によって椅子は避けられ、
テーブルは横一列に。
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モーツァルトはこの一列テーブルの上で激しく歌い踊る。
♪自由のために壁を壊そう
のあたりで、テーブルは再びババッと位置を変えられ、縦四列に。
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この縦列の奥から、
♪くだらないルール 守るのはやめろ
と登場するところもばしっと振りが決まっていて惚れ惚れ!
テーブルはさらにまた位置を変え、
最後のあたりはこんな感じ。
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モブシーンというのは動きがダイナミックで実に楽しい。
そしてこの群衆を従えるようにして動く主役の素晴らしさ!
あまりにも誇らしくて胸がじーんとしてしまう。
それにしてもモーツァルトの歌の歌詞や台詞は、
実に耕史くんにぴったりだと思う。
ヘドウィグやジョナサンなど、今まで演じて来た役の
台詞などとも重なり、響き合うのだ。
過去のチクチクなども手掛けた吉川徹さんの上演台本だから、
耕史くんのイメージをよく分かっているせいもあるかもしれない。
彼こそずっと戦い続けているひとなのだから。
♪レールを踏み出せ 戦い続けろ
今打ちならせ 勝利の鐘を
常識なんて破るためのもの
縛られるのはごめんさ
怖れはしない 声が枯れるまで
歌い続けよう 反逆の歌を
腐った目をして生きるのはやめろ
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