mixiユーザー(id:949383)

2006年06月25日10:35

35 view

華岡青洲の妻

英語字幕つきの日本映画【巨匠と時代劇】上映会の第六回目。
「華岡青洲の妻」(1967・増村保造監督)が
上映されたので行ってみました。
この上映会は国際交流基金の日本文化紹介活動のひとつ。
http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/fsp-6-2.html

NHKで去年、全6回でドラマ化された映像の記憶もまだ新しく、
どうしても細かな部分を思い浮かべながら比較してしまう。
映画の配役は青洲:市川雷蔵、加恵:若尾文子、お継:高峰秀子。
雷蔵さんの太すぎる眉に最初はびっくりしたものの
(大河「花神」の大村益次郎の太眉メイクを思い出した)、
真摯な力強さは素晴らしい。真面目な人柄が役のニンに合っている。
谷原さんの青洲も意表をついて好感が持てたけれど、
比べてみると優男だなあと思う。
あ、でも初対面の嫁さんに「おう!」としか言わないのは
ちゃんと踏襲していたのか。

若尾さんの加恵は可愛らしい意地を見せ、
高峰さんのお継は非常に品よく、うつくしく、しかもきっぱりとこわい。
これでこそお継だと思います。完璧。大満足。
ドラマのほうの田中好子さん、がんばってはいたものの、
私の目には若すぎて年相応の重みが足りないと感じられたので。
それにしてもテンポのよさ、
丁々発止とやりあう台詞の表と裏に見る心理合戦、
有吉佐和子の原作は本当によく出来ている。

診療所に押し寄せる病人、怪我人の悲惨さ。
モノクロームなればこそ描けるような手術の生々しさも圧巻。
ただ、麻酔薬をつくるための朝鮮アサガオのイメージはずいぶん違った。
映画のほうは小さな花で、白い白粉花(おしろいばな)のように見える。
朝鮮アサガオと一口に言っても八重咲きだのなんだの
いろんな種類があるから一概に特定できないけれど、
今は園芸種のエンゼルトランペットのような、
大きな下向きの花というイメージが強いような気がする。
この花の映像ばかりはNHKドラマのほうに軍配をあげたい。
緑の波の中に浮かぶような白い、大きな、
それこそ女の顔のような存在感。

ひとつ気になったのは、観客の笑い。
私の前方に並んで座った外国人の三人連れが、
加恵とお継の壮絶な舌戦のたびに声を立てて笑うのです。
たしかにある意味滑稽ではあるけれど、そんなにまで笑わなくても…
やっぱり日本人とは感じ方が違うんでしょうか。
身につまされると笑えないんですが。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2006年06月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

最近の日記

もっと見る