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2009年04月10日02:16

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こんな物からヨーグルト その三の三

先日作成したヨーグルトであるが、冷蔵庫で冷やすと、意外と食べられる味になった。

ヨーグルトメーカーの容器から、200cc程入るコーヒーカップにスプーンですくい取って食べていた。

最初の二回は松の匂いが邪魔をして美味しくは無かったのだが、それ以降、松の味が消え、ミントの風味だけになった。

これがとても爽やかな感じがし、美味しいのだ。

自画自賛では無いが、これはとても美味しいヨーグルトだ。

残り少なくなったので、種継ぎをして作ってみた。

ヨーグルトに含まれている乳酸菌は、オリゴ糖を繁殖の養分とするそうである。

と言うよりも、オリゴ糖は乳酸菌にとり、良い栄養分であると言ったところか。

私はヨーグルトを作る場合、水飴状のオリゴ糖を牛乳1リットルに対し、大匙で四〜五杯程加える場合がある。

そうすると、とてもしっかりとしたヨーグルトが出来る。

私にとって苦手な酸味も和らぐ。

カスピ海ヨーグルトの場合、その外観はドロッとした物だが、オリゴ糖を加え、経験上最も良いと思われる手順で作ると、プルルンとした物になる。

オリゴ糖を加えると乳酸菌の働きが増強されるので、生成される粘性物質が増えるのだろう。

この粘性物質がカスピ海ヨーグルトを他のヨーグルトから際立たせ、又、それが腸内の善玉菌にとり良い養分となり、悪玉菌を減らすのだが。

そこで、今回は、この私独自のヨーグルトにオリゴ糖を加えて作ってみた。

私のヨーグルトはカスピ海ヨーグルトの様な粘りは無く、ブルガリアヨーグルトに近い食感なので、それがどのような働きをするか定かでは無いが、まだ種として固定出来ていない状態の今、少しでも乳酸菌の働きの助けになればと思って入れてみたのだ。

冬の寒い時期、カスピ海ヨーグルトの、私が経験上得た最も良い作り方はこうである。

先ず、牛乳1リットルを鍋に入れ、オリゴ糖を加え、40℃程度に温める。

次に、火を止め、作り置いたヨーグルトを50cc〜100cc程加える。

かき混ぜる必要はあるが、軽くで良い。

保存容器に入れ、常温で2日前後放置する。

次に、暖かい場所、コタツの中などに移し、4〜5時間程置く。

この間、酸素が必要なので、容器の口は開けておくが、チリが入らないように、キッチンペーパー等を被せる。

最後は冷蔵庫に移して保存する。

以上であるが、暖かい時期は又、作り方が変わって来る。

ブルガリアヨーグルトの場合は、「かき混ぜる」迄は同様であるが、その後は、ヨーグルトメーカー(40℃程度になる)にセットし、二時間半で出来る。

それ以上の時間が、例え十分でも経過すると、急激に酸味が増す。

我がヨーグルトの場合、どの方法が最良の製造方法なのか。

我がヨーグルトはブルガリアヨーグルトに似た性質ではあるものの、菌の強さやら何やらが定かでは無い。

かと言って、カスピ海ヨーグルトと同じでも無い。

学者ならば豊富な資料を基に、机上でシミュレート出来るのであろうが、私は職人である。

検証するには『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』式でやるしか無い。

やるしか無いのだが、数多くこなせる程の経済力も無い。

母方に、茨城で酪農をしている親戚がいて、農場で牛乳を飲ませて貰った経験もあり、そこでならば新鮮な牛乳を大量に分けて貰う事も可能であろうが、200kmも離れた場所に住んでいるのではそうも行かず、牛乳は自分で購わなくてはならない。

試行出来る回数には限りがあり、資料では無く、経験と推測に基づくしか無い。

ま、そこは学者も職人も基本的には同じかも知れないが。

インターネットで調べても、『野草を素にしたヨーグルトの作り方』など、何処にも載っていない。

そのやり方は、この足りない頭で考えるしか無いのだ。

そこで、ブルガリアヨーグルトとカスピ海ヨーグルトの中間の手順を踏む事にした。

カスピ海ヨーグルトは高温では駄目で、ブルガリアヨーグルトは低温では駄目だ。

我がヨーグルトは、外観上はブルガリアヨーグルトと似ているが、もしその性質が、実はカスピ海ヨーグルトと似ていた場合、ブルガリアヨーグルト向きの温度では菌が駄目になってしまう。

前回の出来栄えがサラサラした物だった原因が、この高温にある可能性も否定出来ず、又、高温でなければならなかった場合、後で加熱してやれば済む事でも無い。

ブルガリアヨーグルトをカスピ海ヨーグルトと同じ方法で作ったらどうなるかと、一度やってみたが、結局はしまりの緩い物が出来てしまい、その後、温めはしたものの、ただ酸味が増すばかりだった。

そこで、考えた今回の手順はこうだ。

最初はブルガリアヨーグルトと同じ手順で行う。

次に、二時間半経過後、固まっているようであれば、そこで完成とし、そうでなければ保温を止め、様子を観察しながら二十四時間、経過を待つ。

これでも良い結果が得られなければ、今度はカスピ海ヨーグルトと同じ手順で行い、その段階で三回の実験結果を得られる訳であるから、その中で最も出来の良い方法で更に三回作ってみて、それで不都合が生じなければ、その方法を正式な物として採用する。

はてさてどうなるか、様子を観察しよう。


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二時間半経過。

醗酵し始めているのは確かなようだが、固まる様子が無い。

ただ種として混ぜた物が上に浮いているだけだ。

まだ菌の数が十分では無いのか、或いは弱いのか。

このまま保温し続けるのが良いのかとも思ったが、当初の計画通り、保温を止め、常温で経過を観察する事にした。


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六時間経過。

実を言えば、その後、計画を変更した。

前回は、六時間経過時点では全く固まっていなかった。

その後数時間で固まったと思われるが、固まったのを確認したのは十一時間経過後だった。

と言う事は、もしかすると、六時間以上保温し続けなければ固まらない可能性もある。

常温でも固まる可能性はあるが、二回目ではまだ菌に活力があるとは言えないかも知れず、不安が残る。

そこで、一度通電を止めてから一時間後に再開した。

四時間経過時点ではまだ全く固まっておらず、醗酵を促進する為、スプーンで溶液の上下を入れ替える様にして、二、三度ゆっくりと撹拌した。

そして、前回では全く固まっていなかった六時間経過後に確認した。

緩やかではあるが、固まっていた。

今回使用した牛乳は、いつも使っている我が宮城県産の物ではないが、『毎日骨太』と言う有名商品である。

固形分は9.0%、脂肪分は1.0%の低脂肪乳だ。

脂肪分は低いものの、固形分は普通の牛乳より高いので、どんな物かと使ってみた。

低脂肪乳を使うと、乳清が多く出て、固まりの部分が少ないヨーグルトが出来る。

今回の物は、その様な物だった。

前回は無調整乳で、乳清が殆ど出ず、全体的に固まっていた。

今回は低脂肪乳で、前回殆ど出なかった乳清が多く出ていた。

乳清は普通、透明であるが、今回は醗酵促進の為途中で撹拌したので、少し濁っていた。

固まりの部分は、前回よりも少し滑らかな感じである。

乳酸菌のエネルギー源であるオリゴ糖を混ぜた結果だろう。

少し味見をしてみると、紛れも無く、ヨーグルトの味がする。

オリゴ糖の影響だろう、とても穏やかな酸味だ。

前回のミントの香りが残っていて、爽やかな風味がする。

このミントの香りは人工の香料ではないので、植物的な、自然な風味だ。

後どの位保温し続ければ良いのだろう。

前回は六時間では固まっていなかった。

十一時間後には固まっていた。

今回は六時間で緩やかな固まり方を見せていた。

と言う事は、十時間も保温すれば十分だろう。

十時間経過後に様子を観察し、保温を止めよう。


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八時間経過。

台所に飲み物を取りに行くついでに様子を見ると、もうすっかり固まっていた。

むしろ、固まり過ぎた感じだ。

七時間で十分だったかも知れない。

ともかくも、完成した。

二回目でこの出来具合なので、種として固定出来るだろう。

多く出た乳清は、次回のスターター用に保存した。

野草を素にしたヨーグルトの誕生である。

自然界には乳酸菌が広く分布しているとの証明であり、ヨーグルトは簡単に製造出来るとの証明でもある。

この場合の作り方はブルガリアヨーグルトに準じ、但し、保温時間は三倍弱であると言う事だ。

次回は無調整乳で作ってみよう。

このヨーグルトを何と名付けようか。

私は仙台市の太白区に住んでいる。

家からは太白山(たいはくさん)と言う山が見える。

太白ヨーグルト?

いやいや、こんな名前では駄目だ。

第一、素は太白山から採取して来た物では無い。

では、何と名付けようか。

私の本名を冠して○○さん家のよーぐると?

ボツだ。

こんなダサイ名前ではイケナイ。

ミントヨーグルト?

悪くない。

しかし、素には松葉も含まれている。

ミント・パインヨーグルト?

悪くはないが語呂が良くない。

ハーブヨーグルト?

うん、悪くない。

これにしようか。


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ところで、今回は米糠とハーブでヨーグルト作りをした。

米糠ヨーグルトはボツにしたが、ハーブはこれで良しとした。

自然界には乳酸菌が広く分布しており、アレルギーを引き起こす物は論外としても、ほぼ何ででもヨーグルトの製造が可能なのではなかろうかと思われた。

自然には良い香りのする樹木があり、それを素にヨーグルトの製造も可能だろう。

しかし、樹液が染み出すと、それがかえってヨーグルトを不味くしてしまう可能性もある。

今回のハーブヨーグルトに於いて、松葉の香りが良い影響を与えなかったのがその好い例だ。

それに、いくら良い香りがするからと言って、まさか、檜や杉を牛乳にぶち込む訳にも行くまい。

ここで『黒文字(くろもじ)』と言う植物が思い浮かんだ。

この植物には抗菌作用があり、古くはこれで爪楊枝や箸が作られており、又、歯を掃除する『平楊枝(ひらようじ)』、『房楊枝(ふさようじ)』もこれで作られていたそうで、今でも爪楊枝の上品な呼称は『黒文字』である。

口に含む物だから、アレルギーを引き起こす危険も無く、クセも無い。

又、皇室で使用されている爪楊枝や箸は、この黒文字によって作られているそうだ。

今上天皇陛下は黒文字の御箸を御使用である。

あだや疎かには出来ない植物だ。

しかし、私は割り箸を口に含んだ時の感触が嫌いである。

ヨーグルト作りに割り箸を利用する訳では無いものの、抗菌作用があるのは良いが、乳酸菌に迄その作用が及んでしまってはよろしく無い。

身近にある物として、柿の葉や笹の葉も悪くは無かろうが、柿の葉は苦いし、笹の葉に含まれている『ササオール』と言う物質にも抗菌作用があるので、好ましいとは言え無い。

季節柄、梅の花や桜の花も考えられるが、公園に行ってそれらをポキリと折り取って来るのは法律違反である。

山に行けばドングリや山葡萄もあるが、ドングリは加工しなければ食用には堪えず、その過程で乳酸菌が失われてしまうだろうし、山葡萄ではヨーグルトよりも、むしろ、酒を造りたい。

茉莉花(まつりか=ジャスミンの事)は良いだろう。

私は茉莉花茶が好きである。

これならば良い香りもあろうし、乳酸菌の働きも期待出来る。

色々と考えれば、やはり、良い香りのする花か、爽やかな香りのするハーブがヨーグルトの素には最適だろうと思われる。

幸いにして我が家にはミントが自生していた。

これが利用出来て良かったと思う。

このミントを水耕栽培の手法で株分けして増やそうか。

そうすれば、ヨーグルトの種切れと言う不測の事態が起きた時にも対処出来るし、ミントティーも楽しめる。

悪く無い考えだ。

と思う。


※写真二枚目、向かって左側が六時間経過時の物で、向かって右側が八時間経過時の物。
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