鬱を散ずるために、人は金を使う。
しかし、その金を稼ぐために鬱をためる。
そのプラスマイナス収支を、ああだこうだと、うだうだと、書く。
つまり、何かを1万円で購入して1万2千円分の鬱が散じれば得だ。
逆に8千円の日給のために鬱が1万円たまったら損だ。
こんなことが出来る作家はマーチダだけだろう。
昼食時や、電車で読まないことをお勧めする。
「こいつアホちゃうか?」という目で見られること請け合いなくらい、笑わずに読めない。
なんとなれば、600円の文庫本を買って、1万円の鬱を散じしめた。
いちばん笑ったのは、鬱を散じるために趣味を持とうと決意し、テニスをやろうと考えるところだ。
テニスという選択がまた絶妙である。
どういうことをするかと言うと、テレビでちょっと見たくらいの知識しかないのだけれども、野っぱらに、石灰で白い四角な線を書く。その真ん中に網を張る。網の両側に二人の柄の長い扇子を持った人が立つ。
片方は扇子を持つのみだが、片方は鞠も持っていて、おもむろにこの鞠を真上に放り投げるや扇子でこれをひっぱたく。
ひっぱたかれた鞠は・・
これだけで、大笑いである。
で、お互いに相手が打ちにくい場所を狙い合い、相手がミスすると喜ぶ。
鬱を散じるどころかたまってしまう、だからテニスは断念する、という結論である。
これ、すべての団体スポーツがそうだろう。
なんとなれば、青少年のストレス発散とかなんとかいう理由でスポーツを推奨するのはいかがなものか、と思うのである。
詳細を読まれたい方は130ページ付近を参照されたい。
くれぐれもひとりでこっそり読むように。
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