mixiユーザー(id:5501094)

2021年12月19日10:09

138 view

ジョン・バルビローリ指揮の「シベリウス交響曲全集他」を聴いて



音楽千夜一夜第489回

こないだ朝日新聞の音楽欄の年間総評を読んでいたら、吉田なんとかという担当者が、邦人新人やが指揮するN響の演奏を高く評価しており、なかんずく老大家ブロムシュテットの凡演「運命」を神品の如く絶賛していたので、いったい何を聴いているのだろうと大いなる違和感を覚えた。

政治と同じで「目明き千人目暗千人」だから仕方がないが、この人の文章もオラッチと同様性根入れぬ修辞が多く、軽薄のそしりは免れないと感じたので、よってもって買い置きのCDを眺めると、昔よく聴いたバルビローリのシベリウスが6枚もあるではないか。

気分治しに聴いてみたら2番もフィンランデイアも素晴らしく、なにが素敵に聞こえるのかと考えてみると、この老練指揮者とその手兵ハレ管弦楽団の奏でる音楽は、いずれも率直にしてどこか朴訥で、今では殆ど死語になった手作りの真情に満ちているのである。

手作りの真情というたって、もちろんそれこそただの修辞に過ぎないが、例えばブロムシュテットの面妖な「運命」には無くて、ワルターの「田園」には横溢している何か、とでもいえばよいだろうか。

バルビローリは2番も良いが、今回4番や5番や6番、7番の交響曲まで、さながらあんこがつまった鯛焼きみたいに美味しかったのであった。

   大阪で一番愛され尊敬される発達障害のコンサル返せ 蝶人

8 16

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年12月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031