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2021年12月05日13:52

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逗子文化プラザさざなみホールで「らせんの映像祭」をみる



蝶人物見遊山記 第337回

逗子文化プラザのなぎさホールで音楽や能を鑑賞したことはあるが、少し小さめのさざなみホールがあり、そこで仲本拡史さんがプロデュースされている実験映画祭が3日間にわたって開催されているとは知りませんでした。

私が出かけたのはその2日目でしたが、まずは「視聴覚派」(本藤太郎&宮田涼介)による絵と音楽のパフォーマンスがあり、初めは処女の如くはじまりながら、最後はもうこれ以上は出ないという脱兎の如き大音響で終わる演奏を、仕方なく耳を塞ぎながら鑑賞しました。

ついで10本の短編映像をセレクトした「エクスペリメンタル・ショート」が次々に上映されましたが、いずれも世界の映画祭で好評を博した作品だけに見応えがあり、なるほど映像世界の最先端はこういう地点にあるのかと大変興味深く、勉強になりました。

とりわけ大きな感銘を受けたのは村岡由梨さんの「透明な私」で、統合失調症という自らの障害を逆手に取るようにして、愛する家族と共に生きる、大いなる喜びと苦しみを大胆鮮烈かつ繊細、理知的に映像化した極私的映像エッセイは、11分間に亘って見る者の心を震わせ続けたのでした。

いっぽう吉開菜央、仲本拡史共同監督による「ナイト・シュノーケリング」というドキュメンタリーは、問答無用の面白さ。題名通り芝崎や油壺と思しき海岸から夜の海に潜りこんで、妖しくも美しい魚類や蟹や海藻たちに出会うのです。

そういえば以前仲元本拡史選手が、「トーキョーアーツアンドスペース本郷」に出品していた藻屑蟹らも驚くほど美しかったなあ。

最後に上映された磯部真也さんの「13」は、破天荒な事件映画でした。沈みゆく太陽を5年間に亘って同ポジション、同アングルから撮影、多重露光を行い続けた文字通り奇跡的な映像を、我ら観客は驚異の目で見つめ続けたのでした。

  命懸けでコロナに向かわぬ政治家の無策が市井の民らを殺す 蝶人


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