フランク・シナトラの歌うシーンは一切なく、カード賭博の凄腕のディラーでドラマーとして再起を目指すも、麻薬中毒で苦しみ葛藤する男を体当たりで演じている。共演のキム・ノヴァクが妖艶な魅力を放ち、「映画に初めてモダンジャズが映画音楽として登場した
神代辰巳の未見の日本映画を見る。原作は連城三紀彦の『戻り川心中』、脚本は荒井晴彦。大正ロマンチシズムを生きた、奔放な天才歌人・苑田岳葉と、その野望に身をまかせた女たちを描く。大正ロマンチシズムの時代というのは、なぜあれだけ心中が流行ったのだ
ヒッチコック本人がナビゲートするスタイルで、膨大なフィルモグラフィと過去の発言を再考察し、驚きと遊び心に満ちた映画づくりの秘密を紹介しているドキュメンタリー。最初に「脚本&ナレーション:アルフレッド・ヒッチコック」と字幕が出て混乱し、死後40
久しぶりに『サンセット大通り』を見た。ウィリアム・ホールデンとナンシー・オルソンが夜毎にみんなが帰った静かな映画撮影所の事務所で映画の脚本を練り、明日に向けて準備するスタジオセットの中を散歩するシーンが好きだ。彼女の女優になれなかった話を聞
『アパートの鍵貸します』の2大スターを再び主演に迎え、パリを舞台に堅物の警官と娼婦のラブロマンス・コメディ。ビリー・ワイルダーの喜劇は洒落ていてとにかく楽しい。『お熱い夜をあなたに』(1959)、『アパートの鍵貸します』(1960)とこの『あなた
『汚名』(1946)の前年に撮ったイングリット・バーグマン主演のヒッチコック映画。今回は相手役が『ローマの休日』(1953)のグレゴリー・ペック。イングリット・バーグマンは精神分析医で、女医として、恋人として、殺人犯の容疑者となったグレゴリー・ペッ
アルフレッド・ヒッチコックがイングリッド・バーグマン主演で撮った映画は3本ある。『白い恐怖』(1945)とこの『汚名』(1946)、『山羊座のもとに』(1949)だ。『汚名』の相手役はケーリー・グラント。ケーリー・グラントもヒッチコック作品が多い。『断崖』
久しぶりにヒッチコック映画を見た。初期の見ていないヒッチコック映画があるので、この作品も見ていないような気がして見始めたら、見たことがある作品だった。しかもレビューも書いていた。それにしてもよく出来ている。ヒッチコックの心理的なサスペンス描
これはもうタイトル通りの日本映画史に残る珍作である。阿鼻叫喚の地獄が描かれるグロテスクなホラー映画だ。監督は「怪談映画の名手」として知られる中川信夫。『東海四谷怪談』(1959)などの怪談映画が有名だが、監督・中川信夫の人生を描いたドキュメンタリ
1953年製作、イタリアの「ネオリアリズモ」運動の中から生まれたオムニバス映画。6編の短編で出来ているが、後にイタリア映画界の巨匠となったミケランジェロ・アントニオーニとフェデリコ・フェリーニが参加している。永らく日本未発表だったこの作品が、201
「『悲情城市』『戯夢人生』に続く、ホウ・シャオシエン監督が描く“台湾現代史”3部作の完結編」と言われているが、台湾の歴史に詳しくないと分かりにくい。ホウ・シャオシェン得意のワンシーン・ワンカットの長回しを多用している上に、物語が台湾の白色テ
1月から始まった冬ドラマもほぼ出揃った。この冬ドラマは個性的な作品がいくつかある。なかでもこの3本は必見ドラマである。・『冬のなんかさ、春のなんかね』(日テレ・脚本:今泉力哉、監督:今泉力哉 / 山下敦弘 / 山田卓司)まず今泉力哉のオリジナル脚本
吉田篤弘の小説は、軽く読みやすいのでちょくちょく読んでいる。描かれる世界が、ひっそりと都会の片隅で深夜に生息しているような風変わりな人たちの物語なので、なんだかホッとするのだ。最初に読んだ『つむじ風食堂の夜』は、稲垣足穂の『一千一秒物語』の
アガサ・クリスティの短編小説及び戯曲『検察側の証人』を原作とする法廷ミステリー作品をビリー・ワイルダーが映画化。原題Witness for the Prosecutionも「検察側の証人」。見事なストーリー展開であり、演出のビリー・ワイルダーも素晴らしい。法廷ミステ
ジーン・ケリー振付・主演を務めた有名な傑作ミュージカル。アカデミー賞の作品賞を含めた6部門受賞。映画で使われる音楽はすべてジョージ・ガーシュウィンの作曲、その兄アイラ・ガーシュウィンの作詞によるもの。ジョージ・ガーシュインが1928年作曲・発表
久しぶりにチャップリンの映画を4K修復版で映画館でやるというので観に行った。初期のサイレント映画の傑作『黄金狂時代』である。本作は1925年6月26日にロサンゼルスのグローマンズ・エジプシャン・シアターで初めて上映された。その後1942年には音声効果、
「喜劇王」の呼び名で知られる20世紀の映画スター、チャーリー・チャップリンのルーツに迫ったドキュメンタリー。チャップリン家が全面的に協力し公認した初のドキュメンタリー作品として製作され、チャーリーの息子マイケル・チャップリン(チャップリン4度
4Kリマスター版が劇場公開されたので今年初の劇場鑑賞。1991年フランスで製作され、日本では1992年公開された。公開時に劇場で観て衝撃を受けた記憶がある。火と水の祝祭。なんというスケールの映画だろうと、その圧倒的な迫力に驚かされた。34年ぶりに見た
故松田優作の元妻である松田美智子が雨宮早希のペンネームで執筆した原作を基に、橋本以蔵と青山監督が共同脚色。かなりグロテスクな奇妙で不気味な映画だ。死体が切り刻まれ、首が切断され、多重人格や臓器売買、精神障害を治す人体実験、怪しき宗教団体、兄
増村保造の映画をいろいろと見続けている。増村保造はイタリアで映画を学び、ロベルト・ロッセリーニやヴィットリオ・デシーカのもとでイタリアン・ネオリアリスモの影響を受けた。そして日本映画にありがちな情緒的で曖昧な描写よりも、状況に人間を追い込ん
子供の頃、同じタイトルのアメリカのテレビドラマ(1964〜1972年)を楽しんで見ていた記憶があるが、1942年製作のモノクロ映画の本作はその原点とも言える作品。魔女との奇妙な結婚生活を描いたのがTVシリーズだが、これはその結婚する前の顛末を描いたもの。
ジーン・ケリーが主演と共同監督を受け持った1949年のミュージカル映画。スタンリー・ドーネンは、振付師・ダンサーとしてキャリアをスタートさせ、ジーン・ケリーと共同で『踊る大紐育』(1949)、『雨に唄えば』(1952)を監督し、大ヒットに導いた。そのほ
札幌周辺ロケ撮影が多く使われていると聞いていたので、いつか見ようと思っていた作品。原作は札幌で病院も開業していた精神科の医者・寺久保友哉の同名小説。脚本は荒井晴彦。撮影は仙元誠三、音楽が久石譲、大貫妙子がエンディングの主題歌を歌っているのが
国家を相手に戦う男の物語。ポリティカル・サスペンスである。タイトルの「wilight’s Last Gleaming」(黄昏の最後の輝き)とは、アメリカ国歌「星条旗」の歌詞からとられている。刑務所を脱獄した男たちが軍のミサイル基地、モンタナ州にあるサイロ<タイタ