第97回アカデミー賞で作品、監督、主演女優、脚本、編集の5部門を受賞した話題作。2024年・第77回カンヌ国際映画祭でパルムドールも受賞している。そんなに受賞するほどの作品なのか?という気もするが、良作であるのは間違いない。ショーン・ベイカー監督の
歌舞伎役者の2代目・尾上菊之助の悲恋をつづった村松梢風の同名小説を映画化した溝口健二の芸道ものの傑作。音の設計が見事だ。いつも音が複層的に使われている。台詞のバックでは、三味線の演奏や唄が聞こえていたり、子守歌や拍子木、街中の様々な物売りの
◆『御上先生』冬ドラマの中でひときわ異彩を放っているのが松坂桃李主演のTBS日曜劇場「御上先生」だ。 東大卒のエリート文科省官僚の御上が日本の教育のあり方を変えようと生徒たちと奮闘する物語だ。脚本家の詩森ろばの力が大きく貢献している問題作だ。自
良くも悪くも広瀬すずの映画である。才能ある二人の男性、中原中也と小林秀雄の間で、二人を支え(つっかえ棒)にして生きたモダンガールで女優の長谷川泰子。ソウルメイトとも言える三角関係が大正時代の風俗や衣装、そのロマンティシズムとともに描かれる。
「さよならのつづき」2024年11月14日よりNetflixにて世界独占配信Netflixで北海道の小樽、余市・ニセコ・古平ロケなどがあった恋愛ドラマ『さよならのつづき』を見たので、恋愛ドラマ、それも純愛ドラマについて少し考えてみた。純愛ドラマは現代では成立しづ
Netflix 映画『ザ・キラー』独占配信中デヴィット・フィンチャーはそんなに熱心に見ていないので、彼のこれまでの映画と比較したりはあまりできない。『セブン』(95)、『ファイト・クラブ』(99)『パニック・ルーム』(02)ぐらいしか見ていない。この映画は
画像Copyright 1939, Les Grands Films Classiquesジャン・ルノワールの映画史に残る傑作だ。以前にもレビューは書いているが、映画館で4Kデジタルリマスター版を上映するのだから観ないわけにはゆかぬ。あらためてレビューを書く。アルフレッド・ド・ミュッ
ダダイストであり、シュルレアリストであるマン・レイの4つの短編サイレントフィルムにジム・ジャームッシュが音楽をつけた映画。近年のジャームッシュ作品のプロデューサーでもあるカーター・ローガンとジム・ジャームッシュの2人による音楽ユニット「スクワ
◆『スロウトレイン』(TBS)2025年は野木亜紀子脚本の『スロウトレイン』(TBS)で始まった。かつて向田邦子原案、久世光彦演出の正月の家庭ドラマがTBSの定番で楽しみにしていた時期があった。あのクオリティのドラマは久しくお目にかかれない。このところ再
2024年の各誌の年間ベストテンが発表になった。日本映画で三宅唱の『夜明けのすべて』が高く評価されているのは順当なところ。山中瑶子の『ナミビアの砂漠』が思った以上の高評価。黒沢清は『Chime』ではなく『Cloud』がランクインされるのも予想通り。奥山大
フィンランドの名匠アキ・カウリスマキが仲間たちと作った映画館「キノ・ライカ」のドキュメンタリー。人口は9000人ほどのフィンランド郊外の田舎町、鉄鋼の町カルッキラ。鋳物工場を中心に発展した工業と産業、自然と文化がある町で、首都ヘルシンキから車で1
向田邦子の代表作とも言える傑作ドラマ『阿修羅のごとく』を是枝裕和監督がNetflixでリメイクしたというのを聞くと見ないわけにはいくまい。1ヶ月だけNetflixに加入して見た。向田邦子脚本の凄みをあらためて感じる。人間の底知れぬ複雑さとも言うべき奥深さ
2023年・第73回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品されるなど世界から注目を集めた太田達成監督作品。東京藝術大学大学院の修了制作作品「ブンデスリーガ」がPFFアワード2017に入選、『すべての夜を思いだす』の監督・清原惟が助監督として、『夜明けの
札幌文化芸術劇場hitaruが、注目の映画監督を招き、監督が選んだ傑作2作品の上映と、特別講演をするというシネマシリーズ「映画へ導く映画」8という企画で、横浜聡子監督が選んだ映画、羽仁進の1963年のモノクロ映画『彼女と彼』についてのレビューを書く。ち
札幌文化芸術劇場hitaruが、注目の映画監督を招き、監督が選んだ傑作2作品の上映と、特別講演をするというシネマシリーズ「映画へと導く映画」という企画で、横浜聡子監督が選んだ映画『ドイツ零年』についてのレビュー。ちなみに横浜聡子監督は、『ウルトラ
フランス映画らしい男女のあれこれの映画である。若きマチュー・アマルリック主演の恋愛群像劇。ラストのマチュー・アマルリック演じるポールが友達の恋人シルヴィアを好きになった。そのシルヴィアを演じたマリアンヌ・ドゥニクールのクリクリした目と笑顔が
吉田大八監督は、朝井リョウ原作の『桐島、部活やめるってよ』(2012)で注目され、角田光代原作の銀行員の宮沢りえが横領事件を起こす『紙の月』(2014)、三島由紀夫原作で宇宙人たちの奇妙な話『美しい星』(2017)、山上たつひこ、いがらしみきお原作の『
相米慎二の『お引っ越し』は好きな作品で何度か見ている。火と水の祝祭、少女が大人になるための通過儀礼のような作品であり、10年ほど前に見て書いたレビュー (https://hideyosi719.blog.fc2.com/blog-entry-772.html) でほぼ書き尽くしているのだが、4K