『ウィンチェスター銃'73』(1950)と同じく、アーロン・ローゼンバーグが製作、ボーデン・チェイスが脚本を書き、アンソニー・マンが監督、ジェームズ・スチュアートが主演する色彩西部劇1951年作品。かつてワルだった男は変われるか?ワルはワルのままか?
ポルトガルの巨匠、106歳で亡くなったマノネル・ド・オリヴェイラ監督(1908−2015)の長編デビュー作が4Kレストア版で劇場公開されたので鑑賞。子どもたちがポルトガルの路地を走り回る映画だった。フランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』(19
小津安二郎のトーキー作品で唯一見ていなかったトーキー第1作の『一人息子』を見る。小津安二郎が「ゼームス・槇」名義で書き下ろした原作を自ら映画化。『東京物語』の息子の親孝行版とでもいえるだろうか。母親が信州の田舎から東京に出てきて、久しぶりに
成瀬巳喜男の映画はやはり凄い。見せ場のシーンの演出の見事さは、多くのプロが今でも参考になる役者の動かしの演出であり、カメラワークだ。そして雨、雷、ロウソクの光、そして花火の演出とどれもが素晴らしい。人間を追いつめていく心理描写が深いのだ。本
清水宏監督のトーキー第1作。北海道の炭鉱町が舞台で、北海道ロケを敢行。馬そりなどの雪国の生活が垣間見られる。音の状態があまり良くないが、トーキー第1作で、台詞まわしもあまり上手くない。台詞を言うアフレコの技術もそれほどまだ熟練したものではなか
成瀬巳喜男の映画が4本、U-NEXTのラインナップに加わったのでさっそく見た。相変わらず男と女の愛のもつれが描かれている。建築学の大学講師の森雅之とその愛人、銀座のバーのママに高峰秀子、妻が淡島千景。その正妻と愛人との壮絶なバトルと修羅場が描かれ
『最前線物語』(1980)のサミュエル・フラー監督の海洋アクション劇。アメリカB級映画を多く作った監督だが、ヨーロッパなどで高く評価され、再評価された。ゴダールの『気狂いピエロ』(1965)やヴィム・ヴェンダースの『ことの次第』(1981)、アキ・カウ
『不壊の白珠』(ふえのしらたま)と読む。菊池寛の小説が原作。東京を舞台にした1929年のメロドラマ。清水宏監督の無声映画で、シーンごとに彩色されていて、青味や赤味、紫や緑などの色がシーンごとについている。溝口健二監督をして「清水君は天才です。僕
アンソニー・マン監督は1940年代後半にフィルム・ノワール作品をヒットさせた後、1950年代にジェ−ムス・スチュアートとコンビを組んで西部劇のヒット作を連発した。その最初が本作『ウィンチェスター銃'73』(1950)であり、『怒りの河』(1952)、『裸の拍
時代劇の巨匠・加藤泰の晩年の1981年、最後の劇映画作品。飯干晃一の『会津の小鉄』が原作。侠客・会津の小鉄こと仙吉の真っ直ぐな熱情と瞽女のおりんとの純愛、その激しい生きざまを、尊王攘夷派の藩士たちと新撰組の浪士たちが暴れ回る幕末・激動の京都を舞
2025年・第78回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。等身大の女性の迷いと彷徨を描いた『私は最悪。』(2021)のヨアキム・トリアー監督のノルウェーのオスロを舞台にした父と娘の葛藤の映画。『私は最悪。』にも主演していたレナーテ・レインスベが主演でノ
禅に伝わる悟りまでの道程を10枚の牛の絵で表した「十牛図(じゅうぎゅうず)」に着想を得て制作された、日本・台湾・アメリカの合作による映像詩。水墨画のような美しい予告編を見て、映像に力があるなと思って観た。蔦哲一朗が監督・脚本を手がけ、8年の歳
ホン・サンス監督30周年記念として、2023年以降につくられた新作5本を5カ月連続で公開する「月刊ホン・サンス」シリーズとして『旅人の必需品』(2024)に続いて公開されたのが本作『小川のほとりで』(2024)。日本では2025年12月に公開され、札幌でも公
股旅モノである。父が犯した悪行で故郷を追われたヤクザ者の銀次(中村錦之助)が10年ぶりに故郷に戻って来る。その道中の森の中で、仙太郎(三国連太郎)という男と知り合う。年貢の千両箱を運んでいた岡っ引き(殿山泰司)たちが、二人を強盗だと勘違いして、千両
ゴダールが他界する直前となる2022年・第79回ベネチア国際映画祭「ベネチア・クラシック・ドキュメンタリー部門」で上映された。ジャン=リュック・ゴダールは、2022年9月13日、スイスにて91年の生涯を閉じた。映画監督として伝説となったジャン=リュック・
今泉力哉が脚本を書き、演出にも関わっているテレビドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』(日テレ・水曜22時)が斬新で面白い。これまでにこんな恋愛ドラマがあっただろうか。恋愛を描く場合、たいていは一つか二つの恋が結ばれるかどうかに焦点を当てる。あ
青山真治の長編デビュー作『Helpless』(1996)と同じ年に製作されたオリジナルビデオ『我が胸に凶器あり』。U-NEXTにて鑑賞。清水宏次朗が刑事で対決する殺し屋が菅田俊。いわゆる低予算のアクション映画だ。黒沢清が『勝手にしやがれ!』シリーズで哀川翔の
2026年1月、4Kレストア版にてリバイバル公開。レオス・カラックスが1983年に22歳で発表した長編デビュー作。夜のパリをさまようふたつの孤独な魂の出会いを美しいモノクロ映像で描き、第37回カンヌ国際映画祭でヤング大賞を受賞。アレックス3部作の最初の作品
2026年1月、4Kレストア版にてリバイバル公開。レオス・カラックス監督の「アレックス三部作」、ドニ・ラヴァンが演じるアレックスという名の男を主人公にした3本の映画、『ボーイ・ミーツ・ガール』(1983)、『汚れた血』(1996)、そして『ポンヌフの恋人』
青山真治は、2022年57歳で亡くなった。先日亡くなった長谷川和彦ら9人の映画監督たちで作ったディレクターズ・カンパニーにも参加し、黒沢清の助監督などを経験し、『Helpless』(1996)で長編デビュー。『EUREKA』(2000)、『サッド ヴァケイション』(2007
選挙が終わって、世の中どうなっちゃうの?と暗澹たる気持ちでいたので、そんな暗澹たる近未来を描いたSF映画を見た。こんなことが未来に起きないとも限らない。決して絵空事ではないような気がする。膨大な富を蓄積する一部の富裕層と大多数の貧困層。家も買
名匠ビリー・ワイルダー監督・製作の戦争捕虜収容所もの。原作はブロードウェイでヒットした舞台劇。ストーリーがしっかりしているし、捕虜たちのキャラクター付けも見事。舞台劇として成功しているだけあって、安心して楽しめる。ビリー・ワイルダー監督映画
奇妙でとても面白い作品である。アースキン・コールドウェル原作小説「神の小さな土地」を映画化したもの。この原作はセックスと富に取り憑かれた農家を描いていて1000万部近くを売れたベストセラーとなり、性に関する検閲や風俗問題で物議を醸したそうだ。ア
ハンガリーの女性監督メーサーロシュ特集第2章の劇場公開作品より。1968年に手がけた長編第2作。なんだか奇妙な作品だ。家に閉じ込められた女性の話。自分の意志で男の支配から逃れ、自由に家を飛び出せという女性たちへのメッセージか?経済学者で政治家の夫
ハンガリーの女性監督メーサーロシュ・マールタが、自身の激動の半生をモデルに描いた自伝的映画「日記」3部作の最終作。1956年のハンガリー動乱から民主化運動の挫折までを描いた作品。2023年、メーサーロシュ監督特集として5作品が日本で初公開され、それに
似たようなタイトルの映画でサミュエル・フラーの傑作『最前線物語』(1980)があるが、こちらは1956年のアンソニー・マン監督のモノクロ映画。少人数の部隊が最前線で孤立するという意味では似たような映画だが、こちらもジリジリとした緊張感がある戦争映画
「ロッセリーニ×ゴダール【2つのゼロ年】ドイツ零年」と題した特集上映が行なわれていたので、2本続けて観た。1945年の第二次世界大戦後の廃墟と化したベルリンと1990年のベルリンの壁崩壊の翌年の「2つのゼロ年」のドイツを、二人の巨匠が描いた。ロベルト・
決して妥協をせず自分の建築への揺るがぬ信念を持つ建築家の物語。集団や組織、社会や権威におもねることなく個人の権利を守るために戦い続けた男の物語として、摩天楼の聳えるビルのごとくヒロイックに描かれる。1943年に出版されたアイン・ランドのベストセ
ホン・サンス監督30周年記念として、2023年以降につくられた新作5本を5カ月連続で公開する「月刊ホン・サンス」と、新作にリンクしたテーマで過去作を振り返る特集「別冊ホン・サンス」を同時に劇場公開しており、見逃していた2014年の『自由が丘で』を劇
東陽一監督が先頃91歳で亡くなられたことを偲んで、彼の代表作『サード』を見る。東陽一監督は岩波映画製作所出身でドキュメンタリーから出発している。初の劇映画『やさしいにっぽん人』(1971)は、『沖縄列島』というドキュメンタリーを撮った東陽一が沖