2008年8月10日 17：00〜 於：渋谷BOXX
TOKYO ACOUSTIC NITE 2008 Presents「詩のチカラ」
K.D earthワンマンライブ
〜 TEKE RUI RUI "手をにぎろう 〜
http://www.kdearth.com/
演奏曲）
1. スクラップ
2. 奇跡のHANA
3. 幌馬車TENPO
4. ゆらゆらら
5. レモネード(CADILLAC[キャディラック])
6. The Long Grift（『Hedwig and Angry Inch』）
7. 地球岬
8. 再会
9. それがあなただから（Vocal:MAKIKOさん）
10. 名もない花
11. 妹の子供
12. Traveling bus
13. 僕の星にあなたの月に
アンコール)
14. etunankara
15. クロスロード
アンコール2 ）
16. 風歌（ふうか）
健さんは7月上旬から体調を崩して入院中。
無理をせず療養に専念してもらうということで、
今回は大くん＆サポートメンバーでのライヴ。
ヘドウィグの舞台でもアングリーインチバンドとして、
一緒に演奏してきたドラムの加藤直史さんと、
2月のライヴにも参加したMAKIKOさん。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=705301554&owner_id=949383
最初はちょっと心配だった。
今までもMCはいつも健さんが頑張って進めていたし、
大くんはたまに話を振られても、詰まるとすがるように健さんを
見てばかりだったし、大丈夫なのかしら。
思った通りやたらにナオさんに視線を向けて話を振るし、
「ゆうべ徹夜で順番通り並べた」という譜面台の楽譜を、
照れ隠しみたいにしょっちゅうめくるので、
結果的にいつも違うところを出してしまってて、
ナオさんに笑われていた。
ご本人も言ってた通り、かなり緊張している様子。
健さんが心配してやきもきしていたという気持ち、分かります。
でも気心知れた仲間が居てくれて、大くんもそれなりに
頑張ってマイペースでしゃべってるのが伝わってきた。
4曲目の『レモネード』は、私は初めて聴く曲。
50'sやロカビリー、R＆BをPOPに包み込んだバンド・
CADILLAC（キャディラック）の曲で、だいぶ前のものだとか。
（1995年のアルバム『Blue moon』収録）
「高校生の頃聴いた時には、休みの日にレモネード飲みながら
昔の女のことを思い出す、ってよく分かりませんでしたけどね。
今は分かるような気がする」
大人になったんですね。
ナオさんは、終始にこにこ顔であったかい雰囲気。
あとでMAKIKOさんに「間寛平に似てる」と言われてたけど、
それはしょっちゅう言われるそうです。あと、尾藤イサオとか。
この6月までずうっと、山本耕史くん主演の
『Hedwig and Angry Inch』の舞台のバンドメンバーとして
共演していただけに、舞台の思い出話もあれこれ。
大くんがナオさんを指して「彼はシュラートコだったんです。僕は…」
と言うと、客席から「ズブズブ！」との声。
「そう、ズブズブ。ほんとはスクズプなんだけど」
「ヘドウィグには色んなこと言われたよね。
俺、ビジュアル系ドラマーって言われた」とナオさん。
「どうでしたか、舞台は」
「うん、大くんはやさしかった。他のひとは厳しかった」
「皆すごくナオさんをいじるんですよ。特に朝井くん」
「ライヴと違って舞台だからさ、カウントもなしに
台詞をきっかけにしていきなり始まるでしょ。
あの、ヘドウィグの台詞聞きながら待ってる間がたまんない」
「ナオさんはいつも早くに来て集中してましたよね。
他のひとたちは全然違うんだけど」
かなり緊張なさってたんですね。
「ヘドウィグ見た人！」ハイ！（挙手）
「あ、だいぶ居ますねー」
「10回以上見た人！」ハイ！
「あ、居ますねー。何も出ませんけど…」
いいんですよ別に。
打ち上げライヴを含めれば、私は今年20ステージ見てますけど。
「僕がずっと歌ってた曲があって、これは楽譜見なくても
ちゃんともう入ってるので」
ああ、『Long grift』歌ってくれるんだ！
イントロが始まると、すぐにナオさんがドラムを中断して
パンパンパン、と手を叩いた。
ここで止めに入るイツァークのなぞり。
もうもう、一気に舞台のこと思い出してしまう。
あの時と同じナオさんのドラム、同じ大くんのヴォーカル。
胸がいっぱい。
「完璧だったね」とナオさんに褒められる大くん。
ヘドウィグファンとしては、こういうやりとりも嬉しい限り。
「一緒にバンドを結成しようか」
「いいですねえ。名前は何にします？」
「グリフターズでいいじゃない。ライブは8時からやるんだ」
それはドリフターズの『8時だヨ、全員集合』のもじり？（笑）
2月のライヴでもセンスの良さを感じさせたMAKIKOさんは、
ちゃんとあれこれフォローして、引っ張ってくれて、見事なサポート。
おかげで後半はぐっと盛り上がり、『妹の子供』や『Traveling bus』は
会場中が一緒に歌って、とても楽しかった。
K.D earth の曲はいつもハーモニーとして聴いていたから、
一人だけの声で聴くと、やっぱりちょっと勝手が違う。
7曲目の『再会』から、MAKIKOさんの透明感と深みのある声が加わると、
あ、やっぱりハモるっていいなあと思った。
『それがあなただから』は健さんが歌う曲だったけれど、
女性の気持ちを歌っているから、MAKIKOさんにもふさわしい。
最初は『再会』だけ、とお願いしていたのに、だんだんこれもお願い、
あれもお願い、と曲数が増えていき、前日の深夜にメールで
音源と歌詞を送ったり、それが開けなかったりで大変だったとか。
でもこのステージではそんな大変さなど想像できないほど、
しっくりと落ち着いたヴォーカルだった。
MAKIKOさんは素敵なかたですね。
ほっそりとしてらっしゃるのに、芯のつよい感じ。
じきにおめでたの六ヶ月目だなんて、全然分かりませんでした。
「健さんに頼まれてますから」と、
何かと抜けがちな大くんに何回も助け船を出して、
『妹の子供』のコーラスを場内二つに分けて練習するのも、見事にさばいて。
曲を皆で歌うことは、以前も希望して健さんに却下されたとかで、
大くんは念願かなって嬉しそうだった。
MAKIKOさんは、今後のライヴ告知を忘れてる大くんに
お知らせを促したり、ほんとに行き届いたフォローぶり。
健さんから預かったお手紙も代読。
「ほら、何かBGM」と言われて、ギターを爪弾く大くん。
出られないのは口惜しいけれど、復帰したらまたその時は
会いに来て下さい、とのお便り。
中に「この闇を抜けよう」というフレーズもあった。
ちょっとしんみりする会場。
「これは歌詞ですよね」とMAKIKOさん。
『Traveling bus』のサビ近くにある言葉。
「そう、健ちゃんは機械オンチなんで、
流行のi-podもよく知らなかったんですけど、
入院する時にK.Dの曲全部入れて渡したんです。
きっと今、自分の曲に励まされてると思いますよ」
「健さんはお友達が多いから、病院内に溜まり場が出来てるというか、
休憩室が占拠されてるそうですよ」
今回のライヴは全部録音して、健さんに届けるそうです。
健さんの素晴らしい歌声、また生で聴きたいな。
一日も早く回復なさるよう、祈っています。
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