現在TVドラマで一番楽しみにしているのは
NHK朝ドラ「ちりとてちん」。
落語が題材だというし、本職の吉弥さんも出るとあって、
始まる前から楽しみにはしていたのだが、
キャスティングも脚本も素晴らしく、完全にはまった。
落ちぶれて抜け殻のような師匠を見捨てず、
必死で一門の再興を願う草々のけなげさにも泣かされたけど、
喜代美の尽力のおかげで戻ってきた徒然亭一門の弟子達が
ようやく開いた一門会の回（11月17日放映）は忘れられない。
皆それぞれに熱い師匠への思い。
ましてや息子であり、誤解から憎しみを抱いていた小草若の、
今までの申し訳なさと、愛慕の情が堰を切ったようにあふれ出る
泣きながらの「寿限無」にはやられた！
この撮影時には、一日中小草若に入り込んでいたらしいが、
宗彦さん、上手い！さすが狂言役者の底力。
いじらしくていとしくて、すっかり気持ちが持っていかれた。
それまでは小憎らしさが勝っていたけれど、
実は繊細で気の良いこのお坊ちゃんが大好きになった。
四草の存在感も強烈。女を部屋からたたき出す登場から
大変なインパクト。そしてなんという色っぽさ！目が釘付け。
ことに劇中劇で時代物の格好をした時は、
歌舞伎の色悪そのものだった。
寡黙にして毒舌。無敵の女殺し。でも実は状況をよく見ていて、
失恋した小草若をさりげなくフォローする。
この二人のコンビはまさに絶妙。
そんな二人が揃ってゲストの土曜スタジオパーク（1月26日）。
もちろん馳せ参じ、幸運にも当たりくじを引き当て、
スタジオ内観覧することが出来た。
応募多数のなか、本当にありがたい。
後方のドアから、観覧席通路を抜けて登場するお二人。
並んで立つのを初めて見て、その身長差にびっくり。
あとで調べたら、虎ノ介さんは公称167cmとのことだから、
男性としては小柄なほうかもしれないけれど、
存在感が抜群だから、そういうイメージはなく、ちょっと意外。
一方、宗彦さんがあんなにすらりと高いとは知らなかった。
噂に聞くとおり、虎ノ介さんマイペースでぽーっとしてらっしゃる。
もう心得ているらしい司会の小野アナウンサーの
「ただここに座って、時々にっこりしてくれれば良いですから」
というフォローや、的確な話の振り方で、少しは声も聞けたけれど、
ほんとにこういうのに慣れていない感じ。
それもまた素敵といえば素敵だが（甘々評価）。
宗彦さんのほうは、その分も埋め合わせるかのように、
一所懸命しゃべってらして、ああ良いひとだなあと感動。
きらきらの大きな瞳もさりながら、小草若になっている時と違い、
前髪を垂らしているのが可愛らしく、少年のようでどきどきしてしまった。
それも、つやつやの黒髪。ほんとに綺麗。私にとってはツボでした。
お互いの初印象。
「やっぱり育ちの良さを感じました」（虎ノ介→宗彦）
「こういうひとなんや。さすがNHKさん、ナイスキャスティング！」
（宗彦→虎ノ介）というのもおかしい。
あいさつした時、う〜と体を伸ばして、「…加藤です…」と頭を下げた
虎ノ介さんを「このひとなんか疲れてはる〜」と思ったという宗彦さん、
やっぱりコトバ数が多いというか、表現が豊かというか、
どんどんしゃべりますね。
虎さんは…ぽつん、ぽつん。
スタジオ観覧の楽しみは、画面がビデオ映像に切り替わっている間の
ゲストのリアクションもつぶさに見れること。
今までの名場面をながめながら、
「あーここ、僕、ダーッと泣きながら見てましたよ」とか、
まめにコメントするのは宗彦さん。
隣のかたは黙っています（笑）。
カメラがゲストから離れる情報局のコーナーの時も、
スタジオの仕切りガラス外のお客さんに向かって、
両手を振り続ける宗彦さん。
なんてサービス精神にあふれてるんだろう。
お前もやれよ、というような身振りを受けて、
虎ノ介さん、黙ったままおもむろに「そーこーぬーけーに」の振り！
きゃあああ〜！！というどよめきがスタジオ内まで伝わって、
小野アナウンサーたちも、すごい！という顔。
あっという間の一時間。本当に楽しかった。
私的には宗彦さんにぐっと気持ちが動いてしまったので、
いつか狂言の舞台も是非拝見したいなあ。
「家の子ォは辛いもんです」とおっしゃってたように、
芸事の家に生まれ、重責を負うことは、
小草若の気持ちに通じるものがあるのでしょう。
虎ノ介さんのほうは、目張りなんぞ入れた時代劇など
見てみたいものです。
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