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2007年11月13日22:37

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K.D earth ライブ in SHIBUYA-BOXX

『K.D earth 2007 New Album Release LIVE 〜エトゥナンカラ〜』
に行ってきました。
(2007年11月11日 18:30〜 於:SHIBUYA-BOXX )
http://www.kdearth.com/live.html

兄弟デュオの健さん大くんの歌声を初めて生で聴いたのは、
「Koji Yamamoto & K.D earth」としての、山本耕史くんと一緒のライヴ。
去年5月の日野、12月の函館、今年4月の大阪、10月の小倉と、
KKDの活動に親しんで来た。
耕史くんとの、気心知れた仲の良さが見ているだけでも伝わってくるし、
ハーモニーも本当にぴったりで気持ちよい声。
DAIくんはヘドウィグの舞台でも共演して、ソロで歌う場面もあるし、
耕史ファンとしては、なんだかすっかり身内感覚に。

K.D earthだけのライヴに初めて行ったのは今年4月の渋谷La mama。
勝手が分からず、ちょっとどきどきしたけれど、想像以上の心地よさ。
アイヌの伝統楽器のムックリやトンコリを使っての曲は新鮮で、
本当にこころ惹かれた。何をかくそう私は民俗音楽って大好きなのだ。
一時はNHK-FMの『世界の民俗音楽』をよく聴いていた。
コーラス部だった高校時代、湯山昭作曲の組曲『コタンのうた』が好きで、
ムックリという素朴な楽器のことや、キムンカムイなどという名称、
『熊のウポポ』という曲名なども知っていたし、
ああ、良い感じだなあ、とその世界に浸った。
アイヌ音楽の世界は、新たなとっかかり。

今回は、新しいアルバム『etunankara(エトゥナンカラ)』の発売記念ライヴ。
健さんの日記「月の姿」に、曲解説が連日(10/28〜11/7)書かれていて、
http://www.kdearth.com/kenyukara/page/diary.html
どの曲も良さそうで、聴くのが楽しみだった。
さすがリリース記念だけに、ニューアルバムの曲はすべて披露。
曲解説を読んでいたおかげで、あ、これはあの曲、とすぐ分かる。
春のライヴで聴いた曲も、すぐ思い出せてなつかしい。
それにしても、曲解説を読んで、先に大くんがメロディーを思いつき、
健さんがその曲想を聴いて詩をはめこむ、というような曲作りの様子を
初めて知って興味深かった。
基本的に詩は健さんだし、作詞作曲両方も多いんですね。

20曲くらいやるかも、と書いてあった通り、続けざまにたっぷり
たくさん歌ってくれて嬉しい。
二人の声は、あたたかくて、やさしくて、力強い。
チケットの申し込みに関するメールのやりとりで、
「KKDは男っぽく、KDはアットホームで違った良さがありますよね」
と書かれてたけど、大きく見ればそうであっても、
もちろんK.Dお二人だけでもその両方の要素があるし、
時に男っぽく、時にほんわかしてると思う。

最初から最後まで堪能して、改めて思ったことや、見ていて
楽しかったことなどピックアップ。

<本日の衣装>
大くんは「今日はちょっとお洒落しました」というように、
珍しく黒のジャケットを羽織っていて、インナーの赤のTシャツとの
色の対比がくっきり。TシャツはK.Dのオリジナルデザイン。
肩に掛けたギターのストラップがユーカラ織りで、とても綺麗。
健さんはグレーとカーキ色が混ざったようなぼかし染めの長袖カットソー。
胸元の切れ込みが深くて、ちょっと色っぽい。下はジーンズ。
二人ともアンコールで出てきたときは、上を着替えていた。
大くんは白地の長袖カットソー。
健さんは大くんが最初着ていたオリジナルデザインの色違いで、
マスタードカラー。

<声質>
二人ともとても心地よい声なのだけど、健さんの声って、
うねりやふくらみがあるというのか、独特のこぶしのような幅があって、
生で聴いていると圧倒的。こころを鷲掴みにされて、揺さぶられる。
耕史くんとも共通性があるような、色気のある声。
もちろん、大くんの声も甘やかで素敵だけれど、比べると
ストレートな感じがした。
良い声って、聞いてると本当に気持ちよくなる。
今、きっと脳内α波が出てるんだろうなあ、と思ってしまう。

<トンコリ>
健さん大くんそれぞれの、白と黒のトンコリの掛け合いは、
なんとも玄妙な世界を醸し出す。
こんな小さな、素朴な楽器なのに、本当に不思議で豊穣な音。
まっすぐな木碑みたいなかたちで、弦は5本。
初めて見た時は逆さにして持てば、細長い三角の先端は
「太陽の王子ホルス」が持つ剣みたいだなあと思ったりした。
弦の音は激しくもゆるやかにもなり、水のゆらぎにも似て、ただ心を委ねる。
女体をかたどったもの、と言われるそうだけど、素朴ながらもやはり
何か色っぽい。弾くひとの手に抱かれると感応して、なまめかしくなるのかも。
健さんは本当にトンコリに夢中みたい。
「三味線兄弟には負けないぞ。トンコリブラザーズ!」
うん、負けてないです。セッション出来るって素敵だ。

<耕史くん話>
『奇跡のHANA』の録音の時、演奏最後のあたりの耕史くんの奇声を
ピックアップのマイクが拾ってしまって、あとでこれはいったい何?!
となった話を披露。Diaryでも読んでた話だけれど、
楽しくはしゃいでたんだろうなあと微笑ましい。
「一所懸命弾いてるところへ、わざわざ曲のリズムと違うテンポで
肩叩いてくるんだよね」と大くん。
ほんと、やんちゃ坊主のいたずらっ子だ。

「今アメリカに行ってるんですよねー。何しにいったのかな」
多分、お二人はご存知かと思うのだけど、そのあたりはしっかり
知らぬ存ぜぬで。
「僕らは10年前三人でニューヨークに行ったんですよ。
 もう、ぐちゃぐちゃで楽しくて。毎日RENT見て、毎日公園で歌って」
「『3-wish』っていうアルバムは、あれは僕らの青春アルバムなんですよ。
 あそこに載ってる写真がそれです」

「耕史も、アメリカで同じ月を見ていると思うんで、この曲を耕史に
 捧げます。英語の歌です」と健さんがマクラを振って
『Blue moon』を歌った後、大くんは一言、
「いや、耕史は酔っぱらってると思うよ」

「僕らは今、一緒にスイートJAMという番組に出てるんですけど、
 収録の時は、ガチガチに緊張しちゃって」
「あの、始まりの時に流れるジングルって、一番最初に撮ったから、
 恥ずかしいんだよね。すごくかたくなってたから」
「耕史は余裕なんだけど、しゃべってる時俺たちを見ると、
 ふっと素に戻って噛んだりする(笑)」

「大は来年4月、またヘドウィグの舞台に参加するので、
 是非皆さん見に来てください」とのお知らせも。
 そう言えば、会場にはこれまた耕史くんがらみの音楽仲間、
 前嶋さんがいらしていた。

舞台向かって右が大くん、左が健さん。
もちろん二人にはスポットライトが当たっているけれど、
KKDの時なら耕史くんが立つべき真ん中のスペースにも、
しばしばスポットが当たっていて、なんだか三人いるような気になった時もあり。
終ったあと、KKDの三人はよく、つないだ手を上にあげてお辞儀をする
パフォーマンスをするけれど、K.D二人でも、二人だけでその手をつないで、
上に振り上げて、というのをやるのが微笑ましい。

<今後のお知らせ>
新しいアルバムが出たばかりなのに、来年2月にはまた新しいものが出るそう。
小説『クロスオーバー〜愛すればこそ』のイメージアルバム『EARTH』(Cross Records)。
恋愛小説をもとにしたLove Songs集。
「僕らはあんまり恋愛の歌ってないんですけどね」
今回のアルバムと同時進行で作っていったので、大変だったとのこと。
これはミュージックファンドという、アーティストを投資というかたちで
応援する、新しい試みなのだとか。http://www.musicfund.net/index.html
「皆さん、是非僕らに投資してくださいね」

アンコールの時の告知。
「大は来年1月に赤ちゃんが生まれます!」(拍手!!)
「お父さんだー」それはお目出度い。無事にその日を迎えられますように。
この話のあとに、関連付けて歌った『妹の子供』で、
「誰に似てるだとか おじさんの僕に似てるとか」
 という歌詞を、健さんは「おじさんの健ちゃんに似てるとか」
 と替えて歌ってた。

<演奏曲一口感想>
・『Iyairaikere(イヤイライケレ)』
 アイヌの言葉で「ありがとう」。これ歌ってると、本当に気持ち良さそう。
 ロカビリーのリズムで遊んでたら、自然と出来た曲だとか。ノリノリの
 リズムで、いつまでもサビ部分が続きそう。
・『幌馬車TENPO』は、気持ちよく、なつかしい感じの曲。
 いかにものんびり、ぽくぽくと楽しく旅してる感じ。
 うきうきと一緒に口ずさみたくなる。
 「幌馬車」なんてイマドキじゃない世界がまたぴったりで、良いこと。
・『奇跡のHANA』は、石に咲く花、ミヤマキリシマのことだとか。
 サビの部分で、ふうっと壮大に大きくなる。
 坂道のあと、視界が開けるように。かっこいい。
・『オオウナバラ』
 波に乗ってゆく流氷のように、自然と一体化した雄大さ。K.Dの曲は
 やっぱり北海道の大きな自然が母体になってるんですね。
 とても大らかで、いつまでもゆられていたい。
・『ゆらゆらら』
 ああ気持ち良いリズム、気持ちよい声。
 「君が君でいられるように 僕がいるんだ」って、素敵だなあ。
・『etunankara』は歌なしのインストゥルメンタル。アイヌ語で
 「出会い」という意味。
・『Iyomante Upopo(イヨマンテ ウポポ)』
 これはアイヌの曲で、「熊送り」と呼ばれる儀式の際に歌われていたもの。
 アイヌの世界では、動物もみな神。熊はキムンカムイ。
 肉や毛皮や胆を人間に運んで来てくれたことに感謝を捧げ、神の国に送る。
 ムックリの音が加わって、この場が違う世界になる。
・『イヤコーコー』 これもアイヌの曲。言葉の意味を言ってくれたと
 思うのだけど、忘れてしまった。
・『天気の裏側』
 春に聴いた時も大好きだった。静かな、とても優しい曲。
 「今日が雨模様でも 本当の自分でいよう」
 「天気の裏側を飛んで…本当の空…天気の裏側は晴れだ」
 静かだけど、こころに染み入って、そばに居てくれる感じ。 
・『Blue Moon』
 アメリカの月を見ているであろう、耕史くんのために歌われた英語の歌。
・『Loop〜CUT MANの心〜』
 これ楽しみでした。新曲。耕史くんやK.Dの髪をいつもやってくれている
 西岡和彦さんがモデルだそうな。気取らない、あったかい感じの曲。
 切る、というより、繋げる仕事、という見方が素敵だな。
・『Traveling bus』
 この曲はおなじみ。KKDとしてもライヴで歌ってるから、耕史くんも
 お気に入りなんでしょうか。
「走れ 遠く 夢の坂道終らない 君も 僕も 必ずいけるから」
・『月の姿』
 綺麗な曲だなあと思っていたけれど、一昨年妹さんと甥御さんを亡くした
 ことで生まれたのだと知って、その哀しさが、こんなふうに、やさしく、
 うつくしいうたに結実していることに、胸がいっぱい。
 妹さんの名前、美月(みづき)って、素敵な名前。
 悼むっていうことは、残された者の気持ちをおさめてゆくことでもあるんだな。
・『クロスロード』
 ちょっと胸がざわめくような曲。KKDのほうに通じるような。
・『The music is you』
 音楽はあなた、というタイトル。これも大好き。とてもやさしいバラード。 
 「はぐれた恋や愛情 かなわぬ夢や願いのメロディ
  それでも集め繋げよう 消えないで未来」
  ふっと立ち止まって、自分を見つめ直したくなる。
・『悲しみよりも近くで』
 そこにいないひとを求めて、心があふれ出すような気持ち。
 ああ、そうだ、こういう感情を思い出す。知っていたのに忘れかけてた。
アンコール)
・『妹の子供』
 あたたかな、ごく普通の仲の良い家族の幸せ。
 さりげない、当たり前のような日々が、何よりもありがたい気がする。
・『スクラップ』
 これは原風景なのかなあ。歌詞はなかなか味わい深いけど、曲はにぎやか。
・『名もない花』
 「君が歩く道端の名もない花でいるんだ」
 この曲も本当にやさしい。心の中に染み入って、ずっと見守ってくれる気がする。

もう、本当に楽しかった。ありがとうございます。
今までCDを持っていなかったので、並んでるだけ皆買って来ました。
これからしばらく毎日聴こう。
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