NHK朝の連続ドラマは結構見ているけれど、
現在のこのドラマははとても好き。
今までさんざんやってきた若い女性の成長物語だと、
甘えるな!ヒロインなら何でも許されるのか、と突っ込みたくなる
ことがあまりに多くて落ち着けないのだが、
これは噛めば噛むほど味が出るような、大人のドラマ。
適材適所で皆がきっちり働いてるのが良いなあ。
ほんわりあったかい人情の機微。
なにしろ主役の夫婦役、藤山直美さんも國村準さんも
脇をかためる面々も皆、芸達者だ。
回想の昭和初期、昔のモダンな風俗もとても楽しかった。
レトロ好きの私にはたまらない。
大御所の落語家の癌の話をからめた、今週の話も良かった。
「鞍馬から牛若丸が出でまして、名も九郎判官……」と、健次郎が言うと
「義経、義経」と町子が返す。
『青菜』ですね。この噺も好きだ。志の輔さんでも吉弥さんでも聴いた。
ちょっと浮世離れしてるような落語家の師匠と、
つきしたがう弟子のやりとりは、そのまま漫才のようだったけれど、
お互いがお互いを思う、どこか長く連れ添った夫婦みたいな情を思わせて
何回もほろりとさせられた。
細かいところまで、きっちり作ってあるなあと感心する。
健次郎の妹役・田畑智子ちゃんも大好き。
彼女が主演した『私の青空』は毎回録画してたほど。
母子家庭のふんばりが身につまされて声援を送りたかったし、
それでいてからっと明るいのが良かった。
私が朝ドラのガイドブックを買ったのは『青空』と『かりん』だけだ。
両方とも筒井道隆くんが出ている。彼もとても好きなのです。
『あぐり』も時代風俗が大好きで、萬斎さんも素敵だったのに、
なぜか買わなかったなあ。サントラ盤は持っているけれど。
今期もあと一ヶ月半ほど。最後まで見応えありそうで期待している。
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