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2006年08月13日15:12

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小森輝彦&服部容子デュオリサイタル(朗読:山本耕史)

山本耕史くんの朗読、というのに惹かれて
歌曲とピアノのリサイタルに行って来た。

「小森輝彦&服部容子デュオリサイタル」
■朗読:山本耕史
■J.ブラームス 歌曲集
「ティークの"美しいマゲローネ"によるロマンス」全曲
 2006/8/11(金)19:00〜
 日本大学カザルスホール

これは中世時代の、プロヴァンスの騎士ペーターと
ナポリの王女マゲローネの波乱万丈の美しいロマンスの物語。
この歌曲を聴くのは初めてだったけれど、
予想以上に、ほとんど朗読によって進行する。
出ずっぱりだし、朗読者はとても重要な役目。
あの素敵な声が絶え間なく耳にやさしく響いてうっとり。
物語はおとぎ話ふうだし、上質の読み聞かせをしてもらってる感じ。
姫、乳母など女性の声はさりげなく雰囲気をかえて、
ことに乳母はちょっと老人ふうに演じ分けている。
L5Yのシュムールふうというか。

衣装は詰襟の黒の上下。
以前ワインの騎士の授賞式の時にも着ていた、
神父さまみたいな感じの服。
ホールが教会のようにも見える場所だから、よけいそう思った。
照明はかなり絞られていて、朗読の時には耕史くんに、
歌の時にはバリトンの小森さんにスポットがあたる。
印象に残ったのは、耕史くんが最初の前口上のあと、
自分でマイクの位置を丁寧に直していたこと。
どうも最初のセッティングでは声の響きや顔の見え方に
問題があったらしく、後ろのほうで聞いていた人が、
あのあととても聴こえ易くなったと後で言っていた。さすが!

あと、用意されていた水をかなりたびたび飲んでいたのも印象的。
ガラスの器に用意された分が、
全部なくなっちゃうんじゃないかと心配するほど。
でも左手を伸ばしてコップに注ぎ足すしぐさも素敵。
照明が落ちて、暗い中でみていると、
詰襟の制服を着た男子学生みたいにも思え、
伏目がちの顔もたいそう綺麗だった。

物語的には突っ込みどころ満載だったけれど
(異教徒の姫の立場は?異教徒だったら見捨ててもいいのか?
キリスト教徒こそがすべてなのか?)、
語る声、歌う声の両方の心地よさには大満足の2時間。
アンコールの拍手も暖かく、小森さんが歌ったのは
ゲストの耕史くんゆかりの「レ・ミゼラブル」からの一曲。
私も大好きなジャベールの「Stars(星よ)」だった。
一瞬、次は耕史くんもマリウスを!と妄想してしまったけれど
今回は歌い手としての参加じゃないし残念。
でもとてもよいリサイタルで堪能した。

小森さん自身が耕史くんの大ファンで
(「新選組!」もずっと見てたらしい)、
どうしても彼に朗読してもらいたくて直接交渉し、
ご自分でも大満足だったらしい。良かった良かった。
http://www.teru.de/iblog

終わってからの友人との会話で、
朗読劇というのは良い形式だということで、意見が一致した。
物語というのは、ドラマなどで形にしたとたんに
陳腐で安っぽくなってしまう時があるけれど、
声のみで語ってゆく朗読劇は、読者のイマジネーションを妨げず、
うまく機能するところがあると思う。
また何か素敵な企画があると嬉しい。

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