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白衣姿で湯田の手術のための準備をしている鈴木。
その真剣な顔にかぶせ、次のシーンの丸子の声が先行して入って来る。
丸子「しののめの行方は米軍がつかんでいます」
カフェのテーブルで向き合っている太刀川と丸子。
丸子「沖縄のアズアックのデータで、全て解析出来るはずですから」
太刀川「ではアメリカは、知っていて知らないふりをしてるんですか」
丸子「自国の利益に出来る機会を伺ってるんです」
太刀川「…丸子さん、もし今、日本でクーデターが起こったとしたら、
米軍はどうすると考えますか？」
丸子「（一瞬考え）もちろん嬉々として基地から軍を動かすでしょう」
太刀川「……」（まばたきする）
丸子「ただ、日本ではクーデターは起こせませんよ。
皆そんなこと分ってるから、なあなあでやってきたんです」
太刀川「僕もそう思います」
丸子、太刀川をじっと見つめる。
ふっと口角を上げながら、視線を落とす太刀川。
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第7話 31：33〜32：23
http://www.wowow.co.jp/dramaw/pandora3/episode/episode7.html
スピンオフ・エピソードのみの登場だったジャーナリスト丸子百合が、
第7話にしていきなり本編に姿を見せ、太刀川と語り合う場面。
短いながら、憂慮の色を深める太刀川の揺れ動く表情と、
彼の心の奥を見つめるような丸子の揺るぎない視線が印象的。
向き合う二人のそばの、互い違いの格子型間仕切りも、
画面の中で効果的なアクセントに見える。
それにしても二人のバストショットの切り返しで、
太刀川の表情がどんどん変わってゆくのは素晴らしい。
ぴっと眉をあげ、真剣に丸子の説明に聞き入ったあと、
「もし今、日本でクーデターが起こったとしたら」という台詞では、
思わず右手を前に出し、左に振り、握りしめる細かい手の動きがあり、
さまざまな思いが渦巻いて考え込むのをじっと丸子に見つめられて、
ふっ、とあえて微笑むように口角を上げて彼女を見つめながら、
次には視線を落としてゆく繊細な変化は、さざなみが揺れるよう。
そうだ、磐音の第1シリーズの時もこんな顔を観た気がする。
過酷な真実を知って涙を流す姿を幼い幸吉とおそめに見られ、
心配させまいと、くっと口角をあげて微笑んでみせるところ。
憂いを内に秘め、あえて微笑むような、こういう顔にはぐっと来てしまう。
このシーンの撮影にはエキストラとして参加していたが、
表情の変化などは放映された画面で初めて見て感動した。
撮影地は「築地テラス」。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13100454/
築地本願寺の正門の道向かいに位置するカフェ。一階は席数は少ない。
狭い階段を二階に上がり右手に進むとガラス越しに築地本願寺が見える禁煙席。
左手スペースは喫煙席だが、太刀川と丸子の座ったのはこちら側。
少し奥まった、ガラス窓の向こうに京橋築地小学校が見通せる席。
黒い格子状の間仕切りが特徴的で面白い。
ドラマの画面上でも、カメラが仕切り越しに丸子をとらえていたり、
太刀川がしゃべる背景に、仕切りの向こうの客たちの動きが見えたりしていた。
わずか1分足らずの会話場面だが、撮影は1時間ほど。
最初はまずエキストラなしのテストで、二階にはキャストのお二人だけ。
一階のわずかなスペースには監督とスタッフが陣取ってモニターを睨む。
その間エキストラ勢は道に面した外で待機していたが、
営業時間中のお店を一時立ち入り禁止にしての撮影だけに、
知らずにやって来るお客さんもいるし、道行くひとも何事かと立ち止まるし、
「何の撮影ですか？」とひっきりなしに聞かれるはめに。
（もちろんこと細かくお答えしておいた）
撮影終了後、普通はさっさと帰るのだけれど、
たまたま顔見知りになったエキストラの方と店前で立ち話をしていたら、
車に引きあげ、もう帰ったのかと思っていた耕史くんが、
ラフな私服に着替えて再び姿を見せ、
店内の白壁にサインしているのを見ることが出来た。
お店のひとに頼まれたらしい。
相変わらず綺麗な字。
あとで調べたら、お店のブログにも紹介されていた。
・築地テラスの一日一ブログ
http://ameblo.jp/chabi17/entry-11054643032.html
後日また訪れ、飲み物を頼んで、しばらくのんびりくつろいだ。
なかなか居心地が良い。
許可を得て店内の写真も撮らせていただく。
メニューも豊富だし、スタッフのかたも感じが良いので、
お近くに行かれることがあれば是非どうぞ。
*3枚目の写真が二人の座った小さなテーブル。
太刀川席はテーブル手前左側。
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