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2010年08月15日00:55

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鍋島松濤公園(『Mother』第3話、第6話ロケ地)

第3話のアヴァンタイトル部分は結構長くて、
奈緒をおもちゃ店のキディランドで待つ継美と葉菜との出会いや、
藤子の会社に出向き、彼女にお金を借りる奈緒、
店が棚下ろしで早く閉まってしまったため、近くの図書館へ移動する継美、
それを知ってあわてて図書館に駆けつける奈緒、
二人に気付かれないように書架の陰から見つめる葉菜、
そして手をつないで公園を歩きながら、
葉菜の「うっかりさん」ぶりを奈緒に楽しげに話す継美という、
四箇所での場面が描かれている。

青いバックに白い文字がゆらぎながらあらわれ、
最後に真ん中に"t"の字が白い十字架のように浮かび上がって
『Mother』というタイトルをかたちづくる、その直前が公園の場面。
3話の中で数回登場するこの公園は、渋谷区松濤にある「鍋島松涛公園」。

http://loca.ash.jp/info/2010/d201004_mother.htm
→ロケ地036
・継美(道木怜南)と望月葉菜が逆上がりの練習をした公園
→鍋島松涛公園 (東京都渋谷区松涛2-10-7)
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/park_nabesima.html

ここを画面で見た時はああ!と声をあげてしまった。
仕事帰りに駒場から渋谷駅まで歩いている私には、長年馴染みの公園なのだ。
渋谷駅周辺の喧騒とは遠く離れた別世界で、いかにも落ち着いた雰囲気。
歴史を辿ると、江戸時代にはあたり一帯は紀州徳川家の下屋敷であったとか。
その後佐賀の鍋島家に払い下げられて「松濤園」という茶園が作られ、
茶園廃止後東京市に寄贈された一画が公園として整備されたという。

そう広い敷地でもないけれど、静かで品のある空間。
二人が入って行く入口は、松涛美術館に近いあたり。
入ってすぐ右手に鉄棒とベンチが見え、左手にはジャングルジムのような遊具。
大きな欅の木の幹をぐるっと取り囲むような木のベンチが特徴的で、
今までにもドラマの撮影に使われたのを見た覚えがある。
湧水池の周りの四阿や水車、奥には高台への傾斜に沿った階段もあり、
起伏に富んだ眺めがうつくしい。
手をつないで園内の階段を上る継美と奈緒の背景には桜が綺麗だった。
サツキも咲いていた。春だったのだ。
「うっかりさんてね、すごくね、うっかりさんなんだよ」
「どんなふうに?」
「内緒」
「ええ〜教えてよ」
「あのね、洋服にね、クリーニングのタグがついてたの。ふふふ」
ここでの二人は、本当にしっかりと手をつないで寄りそって、
まるで恋人同士のようにお互いを見つめていたなあ、と思い出す。

その後、職探しに奮闘する奈緒を待って一人で過ごす継美を、
葉菜は何かと目をかけて、この公園で逆上がりの練習にも付き合った。
「えい、やっ」と本気で逆上がりをする葉菜。
「すごい!地面と空がぐるんとひっくり返りましたか?」
「はい、ひっくり返りました。やってみますか?」
うっかりさんの可愛らしいこと。
そしてまた継美ちゃんの言葉の、なんてきちんとしてること。いいなあ。
情報誌の求人にいくつかあたってみたけれど上手くいかず、
焦りを感じている奈緒が、公園脇の坂を足早に降りてくるのはこの時。
継美に気付いて声をかけるのだが、葉菜は奈緒を避けるようにそそくさと去る。
あたりの影は西のほうから長く伸びているから、実際に夕方なのだろう。

葉菜さんが去って行った方に何があるか手に取るように分るだけに、
見ていてなんだかそわそわしてしまう。
左手には消防署、右手に進んで回りこめば松涛美術館。
すぐそばには以前「法の華」の建物があったのだけれど、
取り壊されて今はマンションになっている。
もちろんカメラはそんな余分なものを写したりはしない。
がらんとした道だけが画面に見えて、不思議な空虚感があった。

奈緒が降りて来た公園脇の坂の上のほうの通りは、文化的な施設がいろいろある。
素敵な洋館レストランのシェ・松尾、陶磁器の戸栗美術館、観世能楽堂など。
住宅も敷地が広く立派なところばかり。
そんなことまで分らないにしても、公園を取り巻く閑静な雰囲気は、
画面からも伝わってくるような気がする。

この坂は、その後の場面で病院帰りの葉菜も降りてくる。
自分の病状のことで思い悩む様子ながら、
ふと公園で継美が一人、鉄棒の逆上がり練習をしているのを目に留め、
しばらくじっと見つめている。
このドラマのロケ撮影は、傾斜を実に効果的に利用していると思うけれど、
この公園でも、それが遺憾なく発揮されて印象的。

結局、継美が逆上がりを出来るようになったのは、この公園ではなく、
ドラマに登場する公園としては最多の玉川上水緑道公園だったのだが、
それについてはまた別項で。

(追記)
書き忘れていたけれど、第6話「さよならお母さん」に出てくる
継美ちゃんの「帰り道目印」ノートのうちの、
「ころんだところ」はこの公園です。
入口入って左手奥、ブランコなどの遊具があるあたりを、
うんと低いカメラアイで遠目に捕らえた映像。
ここに限らず、ちっちゃい継美の視線に合わせるように、
通常カメラの位置はかなり低め。
「かえりみち」のイメージショットも、いくつかは場所がわかったので、
そのうちまたまとめて記事にしたいと思います。

「かえりみち」

あおいろのでんしゃ

なみのもようのバス

まっすぐのエスカレーター

てつないだかいだん

52かいだてのビル

みどりいろのでんしゃ

キディーランド

おこってるみたいなマネキンにんぎょう

ペンギンのかんばん

さかみち

ほどうきょう

*ころんだところ

28ばん
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