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2010年08月09日23:18

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ゲゲゲの女房

自慢じゃないけど、NHK朝の連続テレビ小説はたいてい見ている。
今期の『ゲゲゲの女房』は、題材や時代的にも、
絶対好きなタイプだと思っていたけれど、
本当に愛すべき作品で毎朝楽しみ。
http://www9.nhk.or.jp/gegege/index.html

ヒロインは、世代的には私の母の世代。
その子ども世代として、記憶にあるものが色々出てくるのは懐かしい。
あんなオモチャやこんな本。改装した台所や食卓の風景。
あの四本の足付きの四角いテレビ。
それを家族みんなで夢中になって見ていた時代。
「ご不浄」だとか「一六銀行」なんて言葉も懐かしい。
「サービス満点」なんていうのも、最近聞かなくなったなあ。

茂が漫画家としてようやく売れ始めた頃の漫画業界のことも、
それほど詳しくはないにしても、
あ、雑誌『ゼタ』って『ガロ』のことだな。
雄玄社の『少年ランド』って講談社の『少年マガジン』か。
などと説明されなくてもモデルが分るのが嬉しい。
原作となっている武良布枝さんの本もちょっと読んだことがあるので、
元は大阪で看板描きの仕事をしていたというアシスタントのモデルは池上遼一さん、
世捨て人のような達観を持つアシスタントはつげ義春さんだというのも分り、
それぞれの漫画も折々に読んでいたから、親しみを感じてしまう。

水木夫妻は、当初美男美女すぎるなあと思っていたけれど、
素直で嫌みがまるでなく、清潔感があってどんどん好感度アップ。
ことに向井くんは、物に動じない飄々とした感じが、
思った以上に茂のキャラクターにはまっていて良い!
極貧生活のなかでも信念はいささかも揺るがず、
原稿料を踏み倒されても、仕方ないこととして受け入れ、
ただひたすら描き続ける水木先生って、本当に偉い人だったんだなあ。
あまりに低い収入を税務署の役人に疑われた時に、
「我々の生活が貴様らに分るか!」と憤然として叫ぶところや、
戦争による心的外傷に苦しむ美智子の夫・政志が、茂にその辛さを語った時、
「自分は生きている人間に同情はせんのです。
 死んでいったものたちが一番可哀想だ」と言ったところなど、
なんだか胸にぐっと来てしまった。なんというひとだろう。
「貧乏でも貧乏臭くなっては駄目だ、心が豊かじゃないと」
というポリシーも素敵。
そんな彼を信じ、尊敬し、支え続ける布美枝さんも素晴らしい。

それぞれの実家家族の賑やかさや細やかさも言うに及ばず、
脇の準レギュラーやゲスト役者さんたちも、皆味わいがある。
こみち書房の美智子役・松坂慶子さん、やさしくて可愛らしくて大好きだった。
夫役の光石研さんも姑役の佐々木すみ江さんも絶妙だったし、
苦闘時代からずっと茂の理解者だった戌井役の梶原善さんもいじらしいし、
極貧時代の間借り人・中森役の中村靖日さんの、
気弱そうな人の良さも捨てがたく、先日久々に出てきて懐かしかった。

最近ではアシスタントの倉田役・窪田正孝くんの一途さにやられた。
土曜時代劇『浪花の華』の緒方洪庵役も良かったし、今後も期待。
何かとドジだけど憎めないアシスタント菅井役・柄本佑くんは、
デビュー映画の時から結構見てますが、この役ではお父さんの柄本明さんに
ますますそっくりになってきて、見るたびに笑ってしまう。
良心的な編集者・深沢を支えながらも、ひたむきに自己表現を求め、
ついに彼と離別してしまう加納郁子役の桜田聖子さんも、
才気あふれる秘書ぶりが小気味よいほど。
あのセンスあるファッションといい、頭が切れて弁もたち、
アルバイトとして徹夜で原稿書きもするというところ、
故・向田邦子さんの才女ぶりを彷彿とさせる。

それにしても登場人物もだいぶ入れ替わり、
状況もかなり大詰めにさしかかってきたことを感じる。
放映は9月25日までというから、もうあと一ヶ月半なのだ。
早いなあ。好きな作品ほどあっという間に過ぎてしまう気がする。
すでに別キャストで撮了している映画も今年11月公開とか。
http://www.gegege-eiga.com/
ヒロインが吹石一恵ちゃんなのは、
テレビでの松下奈緒さんと通じる気がするけれど、
茂役はクドカンだから、だいぶ感じが違うでしょうね。
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