夕方5時にお台場の東京国際交流館に集合とのことで、
顔見知りたちと一緒に、まず京王線で新宿に移動。
新宿からりんかい線で東京テレポート駅へ。
ここに来ると、昨年末ZEPPに通い詰めた
耕史ヘドウィグ三昧の日々を思い出してしまう。
駅トイレで持参のスーツに着替え、靴も履き替えて今度は記者役。
国際交流館3階の国際交流会議場メディアホールにて撮影。
ここでの撮影は、余喜美子さん演ずる平石徳子総理の会見。
私たちは記者役なので、首からIDカードを下げたり、
腕章を巻いたりして、手には手帳とペンを持つ。
時系列としては、午前中に撮影された派遣村のシーンより前のこと。
ドラマ撮影は順撮りではないことは理解しているけれど、
さきほど血を流して倒れ伏した平石総理が、
にこやかに会場にあらわれたのを見て、なんだか不思議な気分。
総理が立つ中央の机は壇上ではなく、フラットな位置。
向かって左手に日本国旗（短い竿）。
部屋は全体に黒っぽい。
記者たちは対面位置に、折りたたみ小テーブル付きの椅子に座る。
席は大きく下手、中央（5列）、上手の三つに分かれている。間に通路。
太刀川記者の席は、最初は中央部分の2列目、左から2番目。
（後に撮影の関係上、他のひとたちの席がずらされた）
小テーブルに黒のコンパクトなノートパソコン（SONY)と白いレコーダー。
椅子の背にさきほど着ていた黒いコートを掛けている。
細長い小さな手帳に文字を書きつけていたけれど、
近くで見たひとによれば、これは自分の台詞の一部だったらしい。
表情は終始厳しく、眉間の縦ジワ消えず。
平石総理は、毎朝新聞に彼が書いた記事は大袈裟だと否定するために
この会見を開いたと思えるので、緊迫したやりとり。
記者は皆メモを取る格好をするので、
天下晴れて台詞が書き取れるのが嬉しかった。
結局私はいつもこういうことをしてるのだから。
おまけに、リハ、本番と、必ず三回ほどは繰り返すので、
台詞起こしはほぼ完璧。
平石：
日本のおかれている現状について、ご説明申し上げます。
昨日発行された毎朝新聞に「飢餓列島まで90日」という表現がありましたが、
そのような事実は断じてございません。
一部のマスコミ報道の影響で国民の間にパニックが生じ、
負傷者が出たことは大変遺憾に思っております。
確かに現在、国内の天候不順による米の不作などによって、
穀物の供給が不十分になる懸念が出てまいりました。
毎朝新聞の記事はこれを大袈裟に表現したものと思われます。
（記者たち、毎朝新聞記者の太刀川のほうを見る）
ですが、ご安心ください。
緊急輸入措置を取れるよう、関係省庁が対応を進めております。
太刀川（割って入る）：
間に合うんですか。
外交の失敗を取り戻すのに時間がかかるのでは？
平石：
一日も早く国民の皆様に安心していただけるよう、
鋭意努力しております。
太刀川：
市場では、買占めによる食糧価格の高騰がすでに始まっています。
入手できない弱者へはどうされるんです？
平石：
買占め等防止法、国民生活安定緊急措置法、
さらには物価統制令を適応し、
異常な買い占めで乱れた流通機能を回復させます。
また低所得層の皆様へは、無償で食料を提供いたします。
私自ら、施設や派遣村へ出向きお届けいたします。
どうか国民の皆様、噂や情報にあおられることなく、
落ち着いた行動をお取り下さるようお願いします。
平石は国民の皆様を裏切りません。誠意をお見せいたします。（退場）
秘書官（替って中央に立ち）：
以上で平石総理の会見を終了させていただきます。
ありがとうございました。
途中のメイク直し。
太刀川役の耕史くんにもメイクさんが近寄り、
汗を軽くおさえ、刷毛で肌を整える。
髪は頭中央、気持ち立て気味に櫛が入る。
余さんはアイスノンを額や首に当てて、汗を抑える。
彼女に向けてライトがあたっているし、さぞ暑いことだろう。
総理の台詞はガチガチに固い用語ばかりなので、
スムーズに話すために、何度も台詞を舌に乗せて練習されていた。
衣装は紫かがったピンクのチェックのような柄のツイードスーツ。
やはりちょっとフェミニンなイメージ。
この撮影はわりにてきぱきと進み、
太刀川役の耕史くんは18時21分に撮了で退出。
私たちはそれに遅れて、18時40分少し前に終了。
余喜美子さんは、さらに白いツーピースにお着替えで、
単独撮影がある様子。
(*第4話をあらためて見て気付いたのだが、
これは総理邸の壁に飾られた肖像写真の撮影だったようだ）
エキストラたちは記念品のノートをいただいて、「お疲れ様」。
盛りだくさんの一日だった。
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