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2010年04月29日02:24

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スタジオパークからこんにちは(ゲスト:ARATA)

祝日前だけれど、お休みを取ってNHKスタジオパークへ。
本日28日の『スタジオパークからこんにちは』ゲストはARATAさん。
http://www.nhk.or.jp/park/
http://elnest.sblo.jp/article/37412564.html

平日だし時折雨が激しく降る悪天候だったし、
スタジオ内観覧はもしかして抽選なしで入れるかしらと期待したのだが、
そんなに甘いものではなく、結局抽選あり。
でも運よく入ることが出来た。

ARATAさんはずっと好もしく思っているひと。
彼の役者デビューは映画『ワンダフルライフ』(1998年)。
是枝監督のこの作品は本当に大好きで、
ARATAさんは中でも一番印象的で心惹かれた。
『シェイディーグローブ』(1998年)、『DISTANCE』(2001年)、
『ピンポン』(2002年)、『真夜中の弥次さん喜多さん』(2005年)
などの映画を観てきたけれど、どれも余人をもって代えがたい魅力。
去年の久々の是枝作品『空気人形』も素晴らしかった。
でもかなりエキセントリックな役と思える『青い車』(2004年)や
『蛇にピアス』(2008年)などは、ためらいがあって未見。

今回はもちろん現在放映中の土曜ドラマ『チェイス』についてだが、
http://www.nhk.or.jp/dodra/chase/
この役には、彼ならではの不思議な存在感があると思う。
誠実そうに見える静謐な佇まいなのに、淡々と非情な計画を実行してゆく。
やっていることは非道でも、ナイーブな面も感じさせる。
矛盾したところが不自然に思えず、渾然一体となっているような。
誠実と残酷のどちらも内包し、どこか冒しがたい神々しさ。
それこそが彼の魅力なのかもしれない。

スタジオパークの花道は、ちょうど修学旅行か何からしく
学生服の男子女子がたくさんで、大変な歓声だった。
でもガラス戸が開いてスタジオに入ってきたARATAさんは、
やはり自然体でもの静か。
生成色の柔らかそうなシャツ、ゆるめのループタイの留め具は緑っぽい色。
大きな茶色のボタンのついたベージュのベスト。
ボトムは褪せた青のデニム。
ベストで隠れた腰の脇から、緑色のロープのような紐が垂れる。
足元は黒っぽいトレッキングシューズ。
金具に掛けられた紐は濃い目の青。
全体にゆったりとして、色合いも風合いもナチュラルという感じ。
指輪をいくつもしていた。

まずは『チェイス』の画像が流れ、ドラマの紹介があり、
共演の麻生久美子さんからのビデオメッセージも流れた。
「撮影現場に自転車で来たのを見たことがある」
「しょうがドリンクを飲んでいる」
「ヘルシー志向なのにカップラーメンが好き」
「いつも良い匂いがする」など、
近々と接しているだけに、細かいARATAさん情報をいくつか。
「緊張してるでしょうけど、緊張があまり見えないタイプだから、
きっと大丈夫。マイペースでね」というようなメッセージ。
麻生さんとは恋人や夫婦として何度も共演しているし、
昨年は『マレーヒルの幻影』で一緒に舞台も踏んでいるから、
気心知れた仲でしょうし、今回のドラマでも良い感じですね。

「緊張してるんですか?」と司会の住吉アナに聞かれていたけれど、
確かにあんまりこういうトークが得意そうには思えない。
「だんだん声が小さくなるかもしれません。そうなったら言ってください」
と、住吉アナ近田アナに注意喚起してくれるよう頼んでいた。

"Who is ARATA?"として、今までの来歴紹介。
大学生の頃スカウトされ、モデルとして頭角を現し、
23歳の頃、デザイナーとして自分のブランドを立ち上げたこと。
「色んな服をたくさん着る機会があると、
ここをこうすればもっと楽でいいのに、気持ち良いのに、
という思いも出てきて」
ということがきっかけだとか。
("Designer ARATA")

同じ頃に薦められて『ワンダフルライフ』のオーディションを受け、
初めて俳優として演技し、今に至っていること。
こちらのきっかけは写真家hiromixさんが撮影したARATAさんの写真。
すこーんと綺麗な青空と緑の草の間の端っこに、
無垢な感じの彼がふわっといるような、気持ちの良い写真だった。
これが是枝監督の目にとまり、オーディションを受けるように薦められたのだとか。
是枝さんの審美眼はいつもながら間違いないなあ。
なつかしい『ワンダフルライフ』の映像も流れた。
私はこの作品で彼が演じた、もの静かで読書家の望月隆がとても好き。
彼には一昔前の古風な衣装がよく似合うと思う。
この作品が彼の演技事始めだったわけだが、
『空気人形』(2009年)で久々に一緒にやった時、
彼はずいぶん俳優らしく成長していた、とは監督の談話。
("Actor ARATA")

もうひとつの顔として紹介されたのは、
全国あちこちをめぐっている旅人としての活動。
緑の中の彼の写真が映し出された。
「これは白神山地を登っている時のものです」
住吉アナ)「ご自分で撮られた写真ですか?どうやって?」
「これはカメラの三脚を杖代わりにして登っていて、
三脚の上にずっとカメラがあって、それであちこち撮ってたんです」
住吉アナ)「面白いですね!」
「手を伸ばして木の上のほうを撮ったり、崖の下のほうに向けて撮ったり、
じゃついでに自分も撮っておくか、と自分に向けて。
自分の写真ってなかなか撮らないですから」
他に、ブナの樹の幹に刻まれた人の名前の写真なども。
「ブナの樹は好きです」
「これはいたずら書きではなくて、マタギのひとが、
道に迷わないように刻んだものなんです。
マタギのかたなどにも興味があります」
「デザイナーとアクターのお仕事の間のでこぼこを埋めるための、
液体のような部分が旅なんでしょうか?」と住吉アナ。
「あ、そうですね。まったくその通りです」
("Traveler ARATA")

そうか、こんなユニークな活動もしていたのですね。
ARATAさんから醸し出される雰囲気というのは、
自然志向のやわらかさなのかもしれない。
思えば自然というものも、やさしく温かく時に理不尽で残酷だ。
ずっと好感を持ってきたとはいえ、
公式サイトを調べてチェックするほど突っ込んだことはしなかったので、
去年、自費出版の写真集を出されたことは、
舞台で共演された松重豊さんのブログで、後になって知った。
http://matsushige.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-8000.html

・『日本遊行〜青龍之書』(東日本篇) 
・『日本遊行〜白虎之書』(西日本篇)

写真集を扱っているCOWBOOKS青山店で、
去年8月、先着順に無料配布されたとのこと。
http://elnest.sblo.jp/category/531676-1.html
現在、書店で購入できるものではないことがとても残念。
ARATAさんが風景をどう捉えるのか、じっくり見てみたかったなあ。     

”私スタイル”では、凝っているというお香など、アロマグッズを紹介。
持ってこられた色々が壁際のテーブルに用意されていて、
そこに移動して実演。
住吉アナ曰く「歩く姿も是非お見せしたいと思って」
ドライ状態のユーカリの葉も枝ごと置かれていた。
「ユーカリの香りが大好きなんです」とのこと。
ユニークなかたちのお香立てもいくつかあった。
こちらの細長い線香の香りも、自分でブレンドしたとか。
ブリキの缶にはさんで、吊り下げるようなかたちのものもあった。
「キャンプに行った時でも、テントのそばにそのまま置けます」
「たまに仕事の現場で焚くことも」
なるほど、麻生さんが「いつも良い匂いがする」と言っていたのは、
身体に染みついたお香の匂いですか。

やはり非常にマイペースというか、考えながらゆっくり訥々としゃべるので、
時間構成としてはあちこち切り詰められたようだ。
本当は俳優としての紹介のところで、
NHKドラマ『最後の戦犯』のVTR画像も用意されていたのに、
時間が押してカットの指示が出たのも目の当たりにしたし。
この番組では途中暮らしの情報コーナーが入るのだが、
解説委員と近田アナとのやり取りの間は、ゲストは一時退出して休憩する。
ARATAさんはやはり段取りに慣れていなくて、
アロマグッズのコーナーからそのままゲスト席に戻ろうとしたので、
司会者たちからドアの向こうの控室に行くよう手で示され、
あ、そうなんですかという感じで立ち止まったあと、
スタジオ内観覧者たちのほうを振り向き、
ちょっと失礼します、という感じに頭を下げてご挨拶。
こういうところも見られて嬉しい。
他にも、何台もあるカメラのうちのカメラマンのお一人が顔なじみだったらしく、
お互い顔を見あわせて、にこにこ笑っている顔が見られたのも良かった。

再登場して、最後は質問メッセージへのお答え。
(引っ込んでいた間にアロマテーブルが片付けられ、
あれ?片付けられちゃった、というような顔を一瞬見せた)
「今後、どこに旅したいですか」との問いには、
質問者が熊本だったらしく、それを見ながら
「あ、熊本…九州には今とても行ってみたいですね」
「これから新たにどんなことをやってみたいですか」との問いには、
「今、江戸東京博物館では龍馬伝展をやっているんですが、
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/special/index.html
その次の展覧会で、ナレーションをやります。
ナレーションには興味があって、これからやってみたいですね」
「ナレーションというのは、解説の音声ガイドということですね。
まるでARATAさんと一緒に歩いているようで良いですね〜」と住吉アナ。
あ、それは絶対良いです。ARATAさんの声は本当に心地よいから。
イヤホンガイドを返したくなくて、連れ帰りたくなりそう。
「NHKの美術番組や旅の番組で、あちこち行けたら良いですね」
確かに落ち着いたソフトな雰囲気で、向いていそうです。
NHKの方、是非ご検討を。

番組収録後、ほっとした雰囲気の中、恒例の番組HP用記念写真。
住吉アナ、近田アナと並んで真ん中に立つARATAさん。
一人ひゅっと高い。のみならず、顔が小さい!
カメラをかまえたスタッフさんが、
「すみません、ARATAさんだけちょっと前に出てください」
とアナ二人をやや後ろにして、遠近法でもって不自然にならぬよう撮影。
「男性ゲストには二枚目ポーズをとってもらったりしてるんです。
ドラマで村雲さんのかっこいいポーズとかないですか」
「いや、ないですね。村雲は義手なので、こう、いつもこわばってて」
「じゃあ、ピースとかしますか?」
「ああ、ピースサインですか。全然しますよ」
ということで、三人揃ってピースサイン。
ARATAさん、結構その指を前に突き出していた。
さらに観覧者には予想外の嬉しいサービスが!
「ARATAさんから皆さんにプレゼントがあるそうです」
わあっと色めき立つ一同。
彼が手にしているのは何かと思ったら、『チェイス』の特製葉書。
端の席から一枚一枚配ってくれた。お手ずからとはなんとありがたいこと。
ほとんどのひとは手を差し出し、しっかり握手してもらっていた。
一言二言言葉も交わす。これは本当に思いがけぬご褒美。
握手してもらった手には、しばらくユーカリの良い香りが残った。

*写真はいただいた『チェイス』葉書
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