＜急なお知らせ＞
とうとうワープ見学も終ったか、という一抹の寂しさと一応の満足感。
前日まで二日間立ち詰めの疲れを癒そうと思っていた日曜日、
それでも早朝起きてふと携帯を見ると、
朝7時前だというのに、見学仲間の友人からメールが来ていた。
霧子役の佃井皆美さんブログによれば、
今日も朝からワープ撮影があるらしいとのこと！
http://yaplog.jp/tsukui_minami/archive/259
もちろん磐音も出るという保障はないし、
この時間ではワープに確認電話も出来ないが、
昨日からの流れを見ると、可能性も否定できないから、
一応朝一番から行ってみるとのこと。
うーん…これだから撮影は水もので、先が読めない。
ロケ見学初期、二年前のワープでも、まさにこんなパターンがあった。
土曜日に見て、日曜はないと聞かされて、
やっぱりあるらしいとの知らせは、時期も同じく日野新選組まつりの当日。
熱心な新選組ファンはもう日野に向かっていたけれど、
私はとるものもとりあえず、つくばエクスプレスに飛び乗った。
思えば駆けつけたその日、初めて黒の着流し磐音の姿に接し、
魂を奪われてしまったのだった。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=435959382&owner_id=949383
今回はどうしよう、と少し悩んだのは、
見学にかまけて山積みの洗濯物や部屋の掃除のこと、
加えて緊張がゆるんだせいか、疲れが出て体調がいまいちなことなど。
昨日だってちゃんと姿は見られたのだし、このうえ望むのは贅沢なのかも。
どこまで行けば気が済むというのか。しばし葛藤。
しかし結局は「行かないで後悔するより、行って後悔したほうが良い」を
再び実践することとなってしまった。私は楽な方を選べないのだ。
とはいえ、一応掃除洗濯をやっつけるのに時間を要し、
支度をして家を出たのは、10時半を回った頃。
＜時々刻々の状況報告＞
家を出るまでも、つくばエクスプレスに乗っている間も、
先着の友からは何度も状況報告のメールが届いていた。
・磐音とおこんも早朝から撮影があり、間が空くので一度宿に帰ったが、
あとで再び来るとのこと。
・現在はおてんと霧子の対決などを撮っていること。
・場所はワープ内ではなく、隣接した外の部分で撮っているが、
公道から見えるので見学可能だということ。
みらい平のひとつ前の守谷駅あたりにさしかかった時、
「そろそろ磐音さまお出まし」との知らせ。
刻々と届く実況中継に焦ってしまう。
久々に一人でタクシーに乗り、
「今タクシーの中。あと5分くらいで着きます」と連絡したら、
「ワープには入らず物見櫓先を公道沿いに歩いて下さい」と返事が来た。
高い物見櫓は車道に面していて、ワープの目印ともなっている。
「櫓のところで降ろしてください」とタクシーを降り、
その先まで歩いていくと、見学仲間二人が手を振って迎えてくれた。
到着12時10分。
昨日と同じ旅装束の磐音、おこん、霧子と、
忍び装束のおてんたちが既にそこに居た。
＜ワープ外＞
2007年5月以来、陽炎ロケ撮影ごとにワープに通って来たけれど、
この場所に来たのはこれが初めて。
着くまで、どんな感じだか想像もつかなかった。
公道沿いに見えると言っても、どの程度なのか心配していたのだが、
予想以上に近くてびっくり！
ワープステーションはもともと山林のある場所に作られていて、
奥のほうはそのまま山道になっている。
江戸城ゾーンの奥のほうは、通称「裏ワープ」と呼ばれ、
これまでも熱海道中だの、山道を行くような場面の撮影に使われていた。
もちろんそのあたりは見学者はまったく立ち入ることは出来ない。
見学可能なのは、あくまでも入場料を払って回れる範囲内なのだ。
しかしここはまったく道沿いの場所。ワープに隣接したワープ外。
道に面したところに、横引きシャッターのような柵があって、
スタッフや車もここを開いて出入りしているようだけど、
高い囲いなどはなくて、素通しによく見える。
それほど広い範囲ではないけれど、草も木もあって、緑豊かな一角。
ちょっと小高くなっているところに、お稲荷様の赤い鳥居とお堂。
柵にからむ枯れ木の配置も考えられているようで、
スタッフの方がこまめに枝振りを直している。
公道沿いということで、車の通りは大丈夫なのかと危惧していたけれど、
舗装されているのは、ちょうどこのあたりまでとなっていて、
行き止まりか？と思う先に、登山道の始まりのような小さな土の道があり、
林の中へと分け入っていく。
自転車や軽自動車なら大丈夫だが、大きな車などは入れず、
ここで引き返すことになるようだ。
山道の始まりには、山藤の房が咲き残り、大きなシジミチョウもひらひら。
見学者は、私たちを含めてもこの時点で6人ほど。
時折近所のかたが覗きに来たようだが、本当に少なかった。
こんなところで撮影があるなんて目からウロコ！
ワープは本当に奥が深い。
あとでワープ職員のかたに聞いたところ、ここは以前大河ドラマ撮影で
ちょっと使われたことがあるくらいで、陽炎ロケでは初めてとのこと。
＜おてんと霧子、忍者たち＞
道から見る見学者に向かってやや右手のほうには、
昨日と同じ旅装束の磐音とおこんが、こちらに背中を見せて立つ。
その視線の先では、おてんが霧子を羽交い締めにしている。
初めて目にする忍者の装束は、女忍びらしい海老茶のような色。
顔は隠さず、額に黒っぽい鉢巻をしている。金属入りの鉢金か。
後ろから首を締め付けられながら、「放せ！」と叫ぶ霧子。
「うるさい！裏切り者の言うことなど聞かぬ」とおてん。
磐音がおてんに向かって厳しく言う。
「霧子を放せ！霧子は生きて自分の道を見つけるために離れたのだ。
雑賀衆は人を殺す道具でしかない」
このやりとりは、はっきりと聴こえたが、そのあとの台詞は
声の高低があり、聴こえ辛かった。
「…立身出世のために」というあたり、珍しく磐音が噛む。
説明的なためだろうか。何度か繰り返していた。
「雑賀泰造の立身出世のために利用されている」ということなのだろう。
「そうだ！早く気付け、おてん。皆もだ！」と
締め付けられながらも霧子が叫ぶ。
「坂崎磐音、借りを返す」というおてんの台詞とともに、
背後からざっ！と現れる忍者達。
こちらは黒装束の男ばかり、7〜8人は居ただろうか。
晴天の下、白昼の黒軍団は異様に目立つ。
冷静に考えてみると、夜陰に紛れて目立たぬゆえの黒装束のはずなのに、
すごく矛盾しているけれど、この姿は忍者の記号なのだから仕方ないか。
中で一人、長身で違う扮装のひとも居た。手には長い棒を持っている。
原作では「七尺組頭」と呼ばれるひょろりと背の高い組頭が辰見喰助だが、
ドラマで演じている魔裟斗さんは、そう長身でもないので、
原作の辰見イメージを映した別キャラクターのよう。
あとでこの方は、佃井さんと以前にも共演しているアクション俳優
白善哲（はくぜんさとし）さんだと分かった。
http://www.oharabros.com/actors.html#hakuzen
おこんが「きゃっ！」と叫んでしゃがみ込み、
間髪を入れず「おこんさん！」と磐音も姿勢を低くして寄り添う場面も。
手裏剣でも飛んできたのではないかと推察。
「あ、霧子の元結が青だ」と双眼鏡で覗いているひとが言う。
言われて目を凝らすと、確かに髪を括っているのは昨日と違って赤味のない青。
いつも同じではなく、時々替えているのだろうか。
カットがかかって動くたびに見える、後ろに背負った縞模様の荷物は、
紐の部分が紅くて可愛い。
それにしても暑い。本日は真夏日のようだし、遮る影とてない。
役者さんたちは脚絆や手甲で普段より重装備の旅装束やら、
全身覆う忍者の装束なのだから、さぞかし大変だろう。
おまけに演出のためか、時折近くで大きな炎があがっている。
この気候で火にまで攻められては焦熱地獄…
撮影合間には、夏の定番・冷感スプレーが活躍中。
先着の友人によれば、早めのワープ陽炎亭昼食のあとには、
赤や青のかき氷も供されていたそうだ。もう夏と変わらない。
＜スタッフ大忙し＞
しばらくこのあたりの場面を繰り返し、「カットOK！」となった直後、
「ごめん、みろくがどうしてももう一度撮りたいって！」との声で、
再度やり直したりもしていた。
おなじみのもじゃもじゃ頭のカメラマン、みろくさんのこだわり。
ガイドブックにもスタッフのお名前が載っているけれど、
これだけワープに通うと、飛び交う指示の声から、
主要なかたのお名前はいやでも覚えてしまう。
今回は手持ちカメラも多く、対象に迫るように撮ってゆく。
「三尺イントレ！」との指令で、撮影台が組み立てられる。
三尺ということは、1メートルにちょっと足りないくらい。
いろんな大きさのイントレがあるんだなあ。
ガスボンベらしきものが見えるのは、大きな炎を立たせるためか。
ガスバーナーは、しばしば画面手前に陽炎を立たせるために使われるが、
こんな暑い日には見ているだけで熱気を感じてしまう。
こちらから正面あたりの、崩れかけたような屋根付きの塀の上に、
昨日も目にした練習用黄色ブーメランが見える。
持って立っているのは、雑賀泰造のスタンドイン。
スタッフさんは何でもやるので本当に忙しい。
本物の泰造があそこに立ったら迫力だろうな。
＜雑賀泰造登場＞
見学し始めて1時間ほどたった午後一時過ぎ、
見ている私たちの後ろにロケバスが到着。すぐ近くでドアが開く。
と、ゆっくりと降りてきたのはまさに雑賀泰造役の竹内力さん！
思わず息を呑んでしまった。
お初にお目にかかるけれど、すでに役に入っている感じで、やはり迫力。
お肌の色が黒い！焦げ茶色という感じ。
扮装は黒の衣裳に黒い陣羽織。背中の紅い円のなかには烏。
私たちは出入りする柵の間近に居たので、
本当にすぐ目の前をすり抜けるように入って行かれた。
後ろから見ると、いつもは長く後ろに垂らした総髪撫付の髪は、
美容院でカット途中の女性の髪みたいに、色とりどりのピンで留めてある。
この暑さだから、本番まで少しでも涼をとるため上げてあるのだろう。
こんな昼日中、雑賀泰造との対決が見られるとは思っていなかった。
雑賀は先ほど代役の方が立っていた屋根の上に立ち、辺りを睥睨する。
なんと黒マントまで羽織っている。屋根の上の怪人。
熱を一身に集めそうで暑そう。大変だなあ。
「待ちくたびれたぞ、坂崎磐音〜。ここがお前の墓場だ」
うわーなんてベタな台詞！
本当にコテコテの悪役ぶりに、思わず笑ってしまった。
てらいもなく抑揚たっぷりに演じる力さん。
磐音は先ほどと同じ辺りに立っている。
距離を置いて、屋根の上の雑賀泰造との対峙。
「仲間ではないのか！」と叫ぶ磐音。
「ほざけ！仲間などと生ぬるいことを。
地をはいずり泥水を飲んだこともない男に何が分かる！」
かなりクライマックスに近いことを思わせるやりとり。
順撮りではないから、間に別カットがあるらしく、
ここはこういうポーズのほうが良いかどうか、力さんが確認したりしていた。
この場面の撮影は一時間弱。
午後二時前に雑賀泰造の出番は終ったらしく、
暑いマントや陣羽織はすぐはずし、下につけた黒の衣裳のみで退出。
よく見ると、肘の部分は空きがあった。
再び私たちのすぐわきを通って行かれたが、
こちらに向かって「暑いね〜」とにっこり。
「あ、俺だけ？」と笑顔でもう一言。
そりゃ黒尽くめでことのほか暑かったことでしょう。ご苦労さまです。
気さくな方だなあ。悪役はみんな良い人だと言われるけど、実感。
＜休憩テント周辺風景＞
磐音たちも出ずっぱりではなく、合間合間には左手に設えたテントに入って休憩。
引っ込む時に、耕史磐音は柄に紅い袋をかけたままの刀を、
またバトンのように回していた。元気だなあ。
休憩とはいえ扮装は解かないままだから、暑さが察せられる。
途中でスタッフさんが、氷を運び込むのが見えた。
見学し始めた時には、テント側に停めてあった大きな車が目隠しとなり、
スタッフテント（緑色のColeman製）はまったく見えなかったのだが、
その車が出て行ってからは、椅子に座って談笑している姿が
目に入るようにようになって嬉しい。
いったん引っ込んだ力さんは、ほどなく鬘も取り、私服姿で再登場。
私服も黒のシャツ、黒パンツで黒尽くめ。
磐音やおこんたちと談笑。耕史磐音もしきりに笑っている。
入れ替わり立ち替わりの撮影で、霧子とおてん場面もまだ続く。
奥から逃げてくる霧子が側転。さすが身が軽い。
二人は先ほどからずっと一緒だが、霧子単独でも撮影。アップ画面用か。
カットがかかると、二人仲良さそうにおしゃべり。
霧子ちゃんはテントのほうに引っ込んでも、
スタッフを助けて椅子など運んでいる。本当に良い子で感心。
忍者役のひとたちが、車の脇で立ち回りの稽古。
目の前で飛び蹴りなどするのだが、滞空時間が長いので目を瞠る。
なんというか、空中でとまっているように見えるのだ。
バレリーナの跳躍のよう。アクションのプロの動きはやはりうつくしい！
黒い頭巾は暑いため、はねている人もいるが、頭は普通の短髪。
車から小さいトランポリンが出されて、ぽんと地面に置かれた。
目の当たりに見ると、予想以上に小さいのでびっくり。
本当に人一人が垂直に立つくらいのスペースしかない。
ぴん、と丸く張られていて、ちょっと太鼓みたい。
忍者の一人が椅子のように腰掛けたりもしていた。
＜磐音と忍者たちとの殺陣＞
改めて磐音と忍者たちの対決場面の撮影。
先ほどのおてんの「借りを返す！」の続きと思われる。
次から次へとかかって来る忍者たちは、人数がいる分、律動感があった。
同方向からばかりではなく、上からも跳んで襲い来る。
ちょうど側に置かれた戸板のようなもので見えないが、
さっき見たトランポリンを使っての跳躍らしい。動きが立体的だ。
磐音は右に左に、流れるように剣を振るう。
いつもながら舞うようにうつくしい。
殺陣の動きは、いつも通り竹田先生がつけていらしたが、
いつも大きな声で指示を出している、演出部の岡野さんの手をとって、
たたっと移動していたのは、多分岡野さんがおこん、先生が磐音の代わりらしい。
スタッフが主役達の代役をつとめているのは、いつ見ても微笑ましい。
こういう戦いの場では、おこんは後ろで息を詰めて控えているしかないから、
気が休まらないだろうな。
磐音の戦いが本格的になると、おこん抜きで撮影されるので、
彼女は細かく出たり引っ込んだりしていた。
七尺組頭は長い棒を振り回すので、磐音も押される。
横ざまにした棒でがちっと磐音の剣を止め、ぎりぎりと押し返す。
棒を上下させての二人の動きを何回か繰り返し。
危うし、磐音という場面。どうなるのかとこちらも息を詰める。
「お地蔵さんに助けられるの見せますか？」と演出部の声。
え、どういうことだろう。
確かに側に赤いよだれ掛けのお地蔵様は見えるけれども、と思っていると、
いつの間にやら組頭の体に、ぐっさり槍が刺さっていた！
（もちろん、そういう風に見えるように作ってあるだけ）
後ろからやられたらしく、体の前方に突き出した刃先は血塗られている。
「誰が投げたんだろう」と見学者から疑問の声。
あ、でもこれは雑賀泰造だろうと私は思った。
きっとこの場面のあとが、先に撮っていた磐音と彼の対峙につながるのだ。
「仲間ではないのか！」という磐音の怒りは、これで合点がいく。
果たしてそのあと、串刺しの組頭は「お、親方…」と洩らして倒れた。
哀れな最後。これは磐音ごと串刺しにしようと上から投げたのかな。
お地蔵様云々は、その石仏によって狙いが狂ったものか。
おこんが顔を覆うようにして見つめるリアクションがこれに続く。
休んでいたおこんちゃんがまた出てきて、踏み台に乗っての撮影。
下からのあおり撮りだろう。
＜おてんと霧子の組み合い＞
磐音たちは引っ込み、またおてんと霧子の撮影。
「はい、てんちゃん、きりちゃん」と呼ばれているのが可愛い。
本日の撮影で二人の密着度は高いが、今度は地面をごろごろする組み合い。
まずおてんが組み伏せた霧子に馬乗りになり、上から刺そうとするところを、
霧子が必死に反撃し、上へ下へと回転してゆく。
下は草原だが、スタッフがその場所に細かく刻んだ草の葉を撒いてゆく。
動きにつれ、舞い上がる効果なのだろう。
この回転場面は、結構見学場所に近かったので、どきどきした。
二度ばかり動きの段取りをやったあと、毛布を敷いて繰り返そうとした時、
二人の回転に毛布が巻き込まれ、ぐるぐる巻きになってしまった！
美女二人簀巻き状態。あぶないあぶない。
笑いが起きて、スタッフに助け出される二人。
そのあとは滞りなく、本番カットOK。
＜撮影終盤＞
磐音とおこん、再び登場。
ちょっと遅れたおこんがたたっと小走りで向かおうとすると、
「おこんさん、走らないで下さい」と言われていて、思わず笑った。
霧子ちゃんのブログに、撮影の時「走っちゃダメ」と何度も言われた、
と書いてあったことを思い出したので。
まるで子どもみたい、と思ったのだけれど、どうもおこんちゃんも子どもらしい。
でもそのあと、霧子ちゃんもまた「霧ちゃん、走らないで下さい」
と言われていた。可愛いこと。
忍者たちの出番は終ったようだが、撮影はもう少し続きそう。
考えてみれば、ここはワープの外なのだし、
見学者としても閉園時間は関係ないのだ。
「下がってください」とか「帰ってください」という制止も何もなく、
見える範囲のところでずっとやっているのだから、とても贅沢。
ただ、トイレも自動販売機も側にはないだけに、長時間居るには備えも必要か。
ずっとやっていたらずっと帰れなくなりそうで、ある意味歯止めがないのが怖い。
撮影は先ほどまでのなぞりのようであまり大きな動きはない。
磐音がおてんに雑賀衆を離れて生き直すように言い、霧子も口を添える。
四時半頃になると、磐音は引っ込んで行ったけれど、
テントに居るわけではなく、どうもワープ内側に戻っていったらしい。
もはやお帰りかと、見学者一同そわそわして、
ワープ内にも行ってみたが、お姿は見えず。
再びもとのワープ外に引き返すと、おてんと霧子の声は響いているが、
そこに姿は見えない。
声はもっと奥のほうのようなので、公道の続きの林の道を分け入ると、
はるか遠くに、二人らしい姿がちらちらと見えた。
霧子がおてんに必死で翻意を試み、おてんがそれを拒否しているよう。
この道からそこへ近寄ろうとするとがさがさ音がしそうだし、
撮影の邪魔になりそうなので、あきらめる。
すでに5時近く。もう区切りをつけて帰ろうと携帯でタクシーを呼び、
もう一度ずっと見学していた場所に戻ってみると、
ちょうど付き人のお兄さんが運転する車が出るところだった。
後ろ座席で横になっていたらしい耕史くんは、
もう扮装も解いて素顔に戻っていたけれど、身を起こして手を振ってくれた。
朝早くから一日中お疲れ様でした。
＜みらい平駅＞
タクシーはほどなく到着し、数人で乗り合わせてみらい平駅まで。
予想以上にたっぷり見学できたことに感激しながら駅に着くと、
これまたタイミング良く、ロケバスが停まっていた。
さきほどまで忍者を演じていた役者さんたちを送ってきたらしい。
はからずも、私たちは彼らと一緒に秋葉原行きに乗り合わせることになった。
改札をくぐる前、ちょうど大きな体の力士が出てきたので驚いた。
そう言えば、ここには立浪部屋があるのだったっけ。
http://www.tatsunami.jp/t03/index.html
2007年8月、両国からつくばみらい市に移転してきたとのこと。
陽炎ロケで両国あたりの風景をいつも撮影しているワープステーションと
同じ最寄り駅というのも、なんだかご縁があるような。
忍者軍団のお兄さんたちは、結局同じ車両だったので、
彼らが目鼻のあたりだけ赤く日焼けしているのがよく見えた。
そのあたりだけ露出した黒頭巾を着けて、一日撮影してたんですものね。
皆々お疲れさまでした。
見学者としても疲れたけれど(途中頭痛薬など服用）、やはり行って良かった。
こんなに見応えがあるなんて、行って見なければ分からなかったもの。
友のお知らせに改めて感謝。
翌日も同じ場所で撮影があると聞いた。
ワープ内なら月曜休園だから見学不可能だったけれど、この場所なら見られる。
けれど、金曜日も休みを取ってしまったし、これ以上は無理。
それは翌日も行くというひとに託し、私のワープ見学はこれで打ち止め。
本当ならその前日までだったのだから、今日見られたことだけで大満足。
陽炎3への愛着がますます高まった一日だった。
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