テアトル・クラシックスにて上映のデヴィッド・リンチ版「DUNE 砂の惑星」、ようやく観ました。40年ぶりの対面ですね。
だいぶ前にCSでやってたのを録画してありましたが、観るのを控えててよかったです。やっぱりこういうのはスクリーンで見ませんとね。
公開当時ははっきり言って「よくわかんない」映画でした。
なにしろ原作は未読でしたし(今も、読む気はあまりしません)、何だかやたら重苦しい宇宙版宮廷策謀劇なんで気勢が上がらないし。
しかし、この40年の間に、明快な活劇であったはずの「スター・ウォーズ」シリーズが「DUNE」に負けず劣らずのダルダル・ジメジメ戦争劇になっちゃったせいですっかり耐性がつき(?)、おまけにヴィルヌーヴ版「DUNE」も公開され、再見するにちょうどいい環境が整ってきたのでありました。
で、対面の結果。
後半の展開がとてつもなく駆け足で、「端折りまくってる」のがはっきりわかる以外は、実に面白うございましたね。
はっきり言って、お話は好みじゃないです。でも、キャストを眺めてるだけでも嬉しくなるし(特にスティング!彼の出番がもっと欲しかった!)、何よりも超アナログな特撮が目に楽しいのです。
宇宙空間に浮かぶ惑星や月がどう見ても絵の切り貼りに見えちゃうあたりがご愛嬌ですが、巨大宇宙船の着陸とか、クライマックスの大爆発シーンとか、そのド迫力には圧倒されちゃいます。
やはり、人間の手で作り出した造形物を実際に動かしたり破壊することで得られる映像効果は、いかにCGが発達してもなかなかそれを凌駕できんのではないかと思います(ヴィルヌーヴ版も結構ミニチュアを使ってると聞いたことはありますが)。
あと、リンチ独特の映像表現が随所に見られるのもいいですね。特に印象的なのが、何度も劇中に挿まれる水の映像。暗闇の中にポタンと滴る水滴と、そこで広がる波紋のイメージが、後で重要なシーンにつながっていくあたりの見事さ。痺れます。
ハルコネン男爵の汚らしさやギルドの親玉(あいつ、なんて名前だっけ?)の造形など、悪趣味も満載で、何だか愉快な気分になっちゃいましたよ。
しかしできればこの映画、もっとでかいスクリーンで観たかったな。
私が観たのは新宿シネマートなんですが、えらくちっちゃいハコ(キャパシティ、わずかに50!)での上映でしたもんね。
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