休みながら愚痴りながら、その３

　遊び人と言えばバカに決まっている。ギャンブルや性風俗のことは書く間でもない。そして、遊びと言うのは面倒なのも、これも決まっている。ギャンブルはかんたんそうだが、それでも面倒だ。競馬新聞に詳細なチェックを入れて外れ馬券を買うなど、これは面倒の極みなのだ。そこまでの分析力とか推理力があるなら、それを別なことに活かしたほうが、むしろ損が少ないのではないかと思う。
　書く間でもないことを、うっかり書いてしまったので、話を戻そう。
　少し前にソロキャンプというものが流行していた。筆者も考えた。しかし、これが恐ろしいほどの出費になる上に、驚くほど面倒だと分かって止めた。装備を整えて五年間ソロキャンプをやると考え、一泊にかかる費用を計算すると普通に旅館かホテルに泊まることが出来る。肉なら家でも焼けるのだ。
　最近、にわかにオーケストラマニアになった。シェーンベルク・ストラヴィンスキーが好きになったからだ。にわかもいいところだ。しかし、この人たちの曲をコンサートに探すのが、まずは面倒だ。たとえ見つかっても、今度はチケットを買うのが面倒だし、コンサートホールに行くのも面倒だ。その上、誰が指揮をして、どこが演奏するのかも考えなければいけないらしい。オーケストラを聴くのも面倒なのだ。二時間座り続けるのも、この年齢になると面倒だ。
　思えば、コーヒーを豆から焙煎して飲むなど面倒だし、料理するぐらいならレストランに行ったほうがいいが、レストランを選ぶのも面倒なら、予約などするのも意外と面倒だったりする。
　遊びというものは面倒なものなのだ。
　さて、何が言いたいのかというと、遊ぶ人が減っているのではないかと不安になったのだ。どんなに楽しくても面倒なのは嫌、つまらなくても楽なのがいい、と、そんな時代になっているのではないだろうか。
　楽しいことは楽ではない。この文字が矛盾していることには何か深い意味でもあるのだろうか。
　と、そんなことを次の企画も考えずに考えていた。