mixiユーザー(id:1280689)

2023年01月11日16:55

151 view

非常宣言

 今年最初の新作映画鑑賞は、これ。
 韓国映画「非常宣言」であります。
 かなり乱暴というかご都合主義満載の展開ではありますが、今、もっとすごいご都合主義ものを読んでいるので(山田風太郎の「八犬伝」)、そこは全く気になりませんでした。

 サイコパス的なウイルス学者によって毒性と感染性が高められたウイルスがハワイ行き旅客機に持ち込まれ、拡散。次々と乗客、乗務員、そしてパイロットが罹患していく中、機内及び地上では事態収集のための必死の努力が・・・というお話に新味はありません。が、現在も収束の見込みがないコロナ禍の状況が織り込まれたリアルさと、韓国で実際に起きた数々の事故を思わせる展開に呑まれ、最後まで身じろぎせずに観ました。

 特筆すべきは国土交通大臣・キムの存在。
 非常に行動力があり判断も的確で、しかも部下の報告にもきちんと耳を傾け、一介の刑事であるク・イノ(演じるソン・ガンホが絶品!)とも、異業種の垣根を超えて一致協力し、乗客救助の任にあたるのですよ。
 緊急着陸場所を確保するため外務省とも渡り合い、責任逃れのため協力拒否をする多国籍企業(かつてウイルス拡散犯人が所属していた会社)に対しても一歩も引かない剛腕を見せるこの人物が女性であるというのも特筆すべきでしょう。
 そしてさらに重要なのは、このキム大臣とク刑事が「公務員の矜持」を体現したキャラクターであること。
 死の恐怖と危険にさらされた乗客たちのために自らの地位を賭け、さらには生命の危険を顧みず行動した二人の「私は公務員として、当然のことをしたまでです」というセリフには、思わず、元公務員として粛然としました。

 娯楽作としても、またヒューマンドラマとしても堂々たる出来栄えの本作ですが、残念なことに一箇所、大きな傷があります。
 中盤における日本の航空自衛隊の描写なんですが、「これはちょっと、あんまりではないか?」と言わざるを得ないシーンがあるんですよ。
 あれさえなければ、私は文句なくこの作品を推すのですが・・・。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年01月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

最近の日記

もっと見る