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2022年05月28日09:56

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トップガン マーヴェリック

 「シン・ウルトラマン」同様に公開が延びに伸びておりましたが、ようやく観られましたな。
 「トップガン マーヴェリック」最高でしたわ。

 正直言って前作「トップガン」はあんまり好きじゃなかったです。80年代半ばのレーガニズム丸出しの無責任な勇ましさに辟易しましたし、ミリタリズムとMV的作風がドッキングした軽薄さが、どちらかと言えば不快ですらありました。
 それでも劇場に足を運んだのは70mmの大スクリーンで大作を観る、という高揚感が味わいたかっただけで、あとは何もなかったんですよね。

 ところがどっこい、今回の「マーヴェリック」にはすっかり乗せられてしまったんですよねえ。アメリカ式独善主義丸出しなのは相変わらずですが、さすがに9・11を経て、かの国も世界もいろいろ変わってしまったことを作り手もきちんと承知しており「必ずしもアメリカが兵器の性能諸元の面で優位を誇る事ができなくなった状況」を踏まえたお話作りをしてました。その点において、あちらの人は正直だなあと感心しましたよ。
 さらに言うとこの作品、すごーくシンプルな戦争アクション、それも「ナバロンの要塞」や「スター・ウォーズ」におけるデススター攻防戦を思わせる「不可能ミッションもの」の面白さを追求してるんですね。ここがもう、活劇好きにはたまらんのであります。

 しかしながら、いかに戦争アクションといえども「人の死」を軽々しく扱う事は好ましくありません。そのことは作り手も重々承知しているのでしょう、訓練シーンの随所で、トム・クルーズ扮するマーヴェリックが、状況下でミスをした部下たちにこう言うのです。
 「遺族に、何と説明する?」
 戦場での判断ミスで、自分ではなく仲間を死なせてしまったとしたら、生きて帰った者は戦死した仲間の家族に顔向けできるか。「あなたの大切な家族は私のミスで亡くなりました。すみません」と頭を下げればそれで済むか。
 いかに危険な任務であってもそれを遂行し、生きて帰る。そのためには何度でも訓練をする。「これくらいのミス、許容範囲だろ」という安易な逃げは許さない。
 米軍はどのような作戦行動でも、40%の人的損耗があったら作戦を中止し撤収するそうです。それくらい「仲間の死」を重く見てるんですね。
 こういう部分をなおざりにしないところに、私は好感を持ちました。

 その一方で、これはやっぱりハリウッド式活劇にして、スター様の映画。
 後半の展開には、まあ、ぶったまげましたな。
 これは未見の方のため、詳細は申しません。いやホントにびっくりです。「ならずもの国家」が建設中のウラン濃縮プラントを破壊するため、マーヴェリック率いる決死隊が敢行する特殊攻撃がクライマックスに・・・と思ったらそうじゃないんですよ。この後が、もう、とんでもないのです。
 この荒唐無稽さ、強引さ。これこそがスター映画!という感じなんですなあ。

 前作を知らない人にも楽しめる作りではありますが、知ってればなお楽しめる(特に、あのアイスマンとの感動の再会シーン!泣けた!)、スケールの大きな航空大活劇。
 観て、損はありませぬ。
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