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2022年04月25日16:18

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書けないときにやること、その11

 子供の頃から一人でしている遊びがある。子供の頃は名を付けていなかったが、いつの頃からか、その遊びに名前を付けていた。遊びの名は「でたらめな台詞」というものだ。
 何のひねりもない、そのまま遊びの内容を語ったようなネーミングだ。センスがない。まあ、スランプを抜けて来たと思ったところでするところのリハビリのような遊びなので、そんなものだ。
 その名の通りなので説明の必要もないぐらいだろう。それでも、書くこともないので説明しておこう。
 まず、一つの台詞をでたらめに考えるのだ。台詞の主については考えない。それが男なのか女なのか子供なのか老人なのか考えてはいけない。もしかしたら人間でないかもしれないが、それも考えてはいけない。そうしたことは台詞を考えた後で余裕があれば考えることにする。書けないときには、そうした余裕はないものなのだから。ただ、台詞だけを考える。リハビリなので、ここで面白い台詞とかウイットに富んだ台詞を考える必要もない。
 ただ、台詞はでたらめなほどいい。たとえば「明日は晴れるかな」とか「今晩はカレーが食べたい」と、そうした日常的で会話として成立しそうな台詞については考えない。会話として成立しないぐらい、でたらめなものを考え出す。ゆえに、台詞は一つ。少し調子がいいようなら、一つの台詞とそれに対する答えや反応を一つ入れて二つばかり考えてみる。多くても二つまで、三つ思いつくようなら、もう、小説が書けるので、リハビリとは言えない。
 たとえば「お前の左腕って右腕にそっくりだな」とか「亀甲縛りで占いは出来ないから」とか「神様はマックなんか食べないと思うぞ」と、とにかくでたらめなことを考える。
 台詞を考えたら、少し状況についても考えたりする。最初の「お前の左腕って右腕にそっくりだな」だが、こんな台詞を言うような状況はない。ないように思う。しかし、これが人形作りをしている人ならどうだろうか。こんな状況はないはずだが、全裸の男が全裸の女の左腕を舐めながら言ったとしたらどうだろうか。ありそうに思えてくる。そうなると、この台詞に対して「左じゃないよ」と、返すのもいいかもしれない。あるいは「右腕も私のだからね」と、返すのもいいかもしれない。
 筆者は、こんな遊びをしながら、ゆっくりとリハビリしているのだ。生涯、書けなくなってしまうということのないように……。
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