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2021年09月11日15:14

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ただの休憩、その3

 ラーメン屋がやっていなかったので隣の日本蕎麦屋に入るということに筆者は違和感を持たない。ラーメンを食べに来たのだから別のラーメン屋を探そう、と、そうは思わないのだ。美味しいと聞けば、わざわざ車で遠出もするし、電車に乗り、歩き、並んでも食べに行くというのに、やっていなければ気持ちを切り替えてしまう。そこには寛容なのだ。
 ゆえに、思想もすぐに変える。知識や常識も変えてしまう。この前、こう言っていたじゃないか、と、詰問されたところで仕方ないのだ。知識などというものは塗り替えられて当然のものなのだから。思想も同じだ。思想などと偉そうな衣を着ていたところで、裸にすれば知識でしかないのだから。
 宇宙怪獣シリーズを書くとき、筆者は、孤立して行く寂しさについて書きたかった。ところが、書いている間に状況が変わって行くことになる。なんだか、世界は連帯と家族を重んじるようになったように思えて来たのだ。家族が大事で仲間が大事になった。大事なのはいいかもしれないが、それは同時に、家族でないものを排除し、仲間でないものを敵としはじめたように筆者には思えるのだ。そして、何かを排除するための集団に属するぐらいなら、人間なんて孤独でいいのではないかと思うようになってしまったのである。孤立は寂しさではなく、むしろ人間としての強さなのではないか、と、そう思えたのだ。
 誰かが言っていたから、テレビで言っていたから、皆がそうだから、と、集団が同じ方向に進み、別な方向を見る人たちを排除しはじめたように思えたのだ。
 口論しない、争わない、仲良く、和を乱さず、ひねくれたりしない、そんな人間にはなりたくない。
 生まれてはじめて見た動く物がバケツだったら、バケツを親だと信じるヒヨコにはなりたくない。そもそもヒヨコにはなりたくない、大人になって食べられるのは嫌だから。
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