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2019年03月29日16:30

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「記者たち 衝撃と畏怖の真実」〜大義名分はどこに

イラク戦争の大義名分となった「大量破壊兵器の存在」に疑いを持ち、米国政府に追従した記事を書く大手新聞社を尻目に真実を追究するナイト・リッダー社の記者たち。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストに対する中堅新聞社、日本でいえばまさに東京新聞のような存在かなと勝手に推測。新聞記者の上司役で出演もしているロブ・ライナーが監督。

「スポットライト」や「ペンタゴン・ペーパーズ」、このところ続いた“新聞記者群像劇”と比較されたのか、結末をスッキリとさせず放り出したような印象、そして(ロブ・ライナー作品としては)全体的にメリハリを欠いていて退屈などと前評判がいまひとつ。たしかにけっして派手さはないけれど、何というか“小気味の良い男くささ”みたいなものがあふれる秀作だと思う。

「9・11」から始まるアメリカ現代史。観る側にとってはついこないだのことように記憶している出来事をもう一度おさらいするようなドキュメンタリー的感覚。イラクに派兵された若き黒人兵士とその一家をサイドストーリーの主役にして、真実を追究する記者たちの奮闘と、デタラメを積み上げていくブッシュ大統領や政府高官たちの発言を実に巧みに交差させている。

ジェームズ・マースデン、ミラ・ジョボビッチ、ジェシカ・ビール…ふだんは身体を張ったアクション俳優のイメージが強い面々が市井の人々を演じると、違和感よりも人間味をより感じて好感を持つのは私だけか。そして違和感と言えばトミー・リー・ジョーンズ。映画を観る者としては大失格だろうけど、やっぱり日々のCMの刷り込みってコワいなあと思った次第です。
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