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2018年06月08日14:10

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「Vision」〜森と風と光のファンタジー

河瀬直美監督最新作。幻の薬草「Vision」を求めて奈良・吉野の山奥までやってきたフランス人エッセイストのジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、山間で孤独に暮らす山守・智(永瀬正敏)と出会う。この出会いは必然のもの、まさに100年来の予言通りだと、やはり山に住む老女アキ(夏木マリ)は不可思議な言葉を残していく。河瀬監督によるオリジナル脚本。

結論から言うと前2作(「あん」「光」)よりは不親切な作品。というか前2作がこの監督にしては分かり易すぎたのかも。話のスケールがだんだんと神の領域レベルまで大きくなる後半は、イメージショットのような場面が多発され、時系列にもついていくのが精一杯、観終わったあとに公式HPをおさらいしてようやく全貌がつかめたというのが正直なところだ。

河瀬監督の得意とする、奈良山間部の自然描写にはやはり圧倒される。文字通り“自分んちの庭”と言った感じ、おそらくドローン撮影が可能になったせいか、繊細さはそのまま、ダイナミズムは過去作をはるかにしのいでいるよう(まさかCGってことは…)、やっぱりこういう作品は、森や風や光の匂いまで漂ってきそうな、劇場の大きなスクリーンで観るべしと思う。

カンヌ人脈を別にすると映画界では孤高の存在に映る河瀬監督だが、今回は岩田剛典(EXILE/三代目 J Soul Brothers)の出演だけでなく、作品全体のエグゼクティブ・プロデューサーにEXILE HIROを起用、配給もLDH Pictures。どこでどう繋がったのかわからないけれど、今後しばらくはこの意外なコラボを堅持して、新たな創作を生み出してほしいなと思いました。
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